家族4人で24時間一緒に過ごす「コロナ生活」@ソウル
政府がマスクを供給し情報公開が徹底されている韓国でパニックは起きなかった
藏重優姫 韓国舞踊講師、仁荷工業専門大学語学教養学科助教授
韓国では、コロナの初感染者が出て(1月20日)2か月が経った。
3月21日現在、コロナ感染者数8652人(前日比87人↑)、検査中1万5525人(前日比379人↓)、隔離解除2233人(286人↑)、死亡94人(3人↑)、累積検査数は31万6664人にのぼる。
日用品や食料の買いだめが日本を始め、海外でも起きているらしいが、うちの近くのスーパーでは見られなかった。もちろんトイレットペーパーや日用品の棚が空っぽになるという現象も無かった。
「パニック」の無いことが幸いだ。

大手大型マート。色んな所に消毒剤が。自分の手は勿論カートの持ち手まで消毒する人が多い=筆者撮影
数字は人を学習させる
コロナの事態がある程度収束する頃になれば、各国の対策の良し悪しが比較されるだろう。
人や物が往来して世界経済が成り立っている今、往来する海外の国の状況をちゃんと把握したいと思うのは当然である。透明性を求めるのは、当然のことだ。
数字というのは、その点で分かりやすい。感染者数、死亡者数、等々一目瞭然だ。
1か月前、韓国では、検査をすればするほど増える感染者数に人々はおののいた。しかし、増え続ける数字を見て、人々は社会にとってより良い行動を模索し始めた。結局、それが自分のためになるからだ。
数字は、人を学習させた。
もちろん、ムン・ジェイン政権に対する批判は相変わらずいろんなところから噴き出している。しかし、一つだけ私が評価するのは、やはり数字である。
毎日の感染者数、隔離者、死者の数に一喜一憂しながら、前日から一挙に100人増加した日には、なぜ増加したのかを知ることが出来る。最近の増える原因は、ほぼ50人前後の集団感染だ。
今日も40人前後の集団感染が確認された。老人ホームで一人が感染し、そこから集団感染したのだという。
「ああ、やっと収束に近づいてきているのに、やっぱり集団感染には、まだ気をつけなければならないんだなあ」とその報道で学習する。
ともあれ、2週間前くらい前から、コロナ一色だった報道も、選挙や地域のニュースなども出だして、余裕が出てきた感じがする。
人も、私たち家族も身動きに制限がある中での暮らし方に慣れてきた。子どもも、長時間のゲームに飽きてきたらしい。自ら1時間は問題集なりを引っ張って来て勉強するようになった。勉強も気分転換の一つになっているみたいだ。