メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

家族4人で24時間一緒に過ごす「コロナ生活」@ソウル

政府がマスクを供給し情報公開が徹底されている韓国でパニックは起きなかった

藏重優姫 韓国舞踊講師、日本語講師

マスク供給、感染者の動線、住民登録番号

 2か月も経てば、閉塞感の漂う社会なりに人々の行動にパターン化がみられる。

 外に出る時のマスク、店などに出入りする時の手の消毒。私も常に携帯消毒薬を持ち歩くようになった。

 「社会的距離置き(사회적 거리 두기 )」という言葉がここそこで標語化され、私もコーヒーショップで知り合いと会うにしても、テーブル分は十分距離を置いたり、ドアノブ、エレベーターのボタンを直接指で触らないなど、ちょっとしたことに気を付けることも習慣になった。

拡大政府供給のマスクを買う曜日は誕生年の末尾の数で割り当てられている=筆者撮影
拡大薬局ごとに何時から販売すると書いてある。この薬局は午後2時から。一人二枚、3000ウォン=筆者撮影

 また、この間、政府からのマスク供給が始まり(1枚1500ウォン:約140円)、当初、ニュースでは薬局でお年寄り同士が争ったりする姿などが報道されたりもしたが、現在は、誕生年の末尾の数で区別する番号制が定着してきて、混乱も争いも無い。薬局によっては長い列を作るところもあれば、すぐ買えるところもある。

 とにかく、これまで根拠のない「パニック」に怯えることのなかったことだけでも幸いである。

 韓国では、感染した人の動線(どこで感染したか、どこに住んでいるか、どこに行ったか等々)を行政が(アラート)で公表する。知り合いによれば、ネットでもっと調べれば、その人の身辺情報まで出てくる場合があるらしい。その知り合いは、コロナ自体よりそっちの方が恐ろしいと言う。そらそうだ。

拡大3月22日の朝イチのアラート。「3/22〜4/5まで、集会、行事、旅行などの延期または取り消し、生活必需品の購入や病院の訪問、出勤を除く外出自粛、症状があれば出勤しないようお願いします」。日曜日は教会など小規模な集まりが行われる可能性が高い。日曜日らしいアラートだと思った=筆者撮影
拡大携帯のアラートは1日2、3回鳴る。私の住んでいる近くで感染者が発生するたび知らせがくる。もちろん動線も知ることができる。このアラートは「20歳女性、アメリカから帰国。〇〇居住」=筆者撮影

 韓国では住民登録番号があるので(私には外国人登録番号)、確定申告も税務署で自分の番号を差し出せば、ものの数分で確定申告が終了する社会だ。日本で確定申告に孤軍奮闘していた私にとっては、とてもありがたかったが、反面、個人情報が一目で分かるのだから、恐ろしいことでもある。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

藏重優姫

藏重優姫(くらしげ・うひ) 韓国舞踊講師、日本語講師

日本人の父と在日コリアン2世の間に生まれる。3歳からバレエ、10歳から韓国舞踊を始め、現在は韓国にて「多文化家庭」の子どもを中心に韓国舞踊を教えている。大阪教育大学在学中、韓国舞踊にさらに没頭し、韓国留学を決意する。政府招請奨学生としてソウル大学教育学部修士課程にて教育人類学を専攻する傍ら、韓国で舞台活動を行う。現在、韓国在住。日々の生活は、二児の子育て、日本語講師、多文化家庭バドミントンクラブの雑用係、韓国舞踊の先生と、キリキリ舞いの生活である。

藏重優姫の記事

もっと見る