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仲間はずれのトランプの「負け犬ランチ」

第4部「揺らぐ同盟―究極の取引至上主義」(4)

園田耕司 朝日新聞ワシントン特派員

トルドー首相らの陰口

 トランプ大統領は2019年12月4日、北大西洋条約機構(NATO)の創立70周年を記念する首脳会議に出席するため、ロンドンを訪問していた。ドイツのメルケル首相との会談の冒頭、記者から「カナダのトルドー首相が昨夜あなたについて話していた映像を見たか」と問われると、トランプ氏は不愉快そうな顔をしてこう語った。

 「彼(トルドー首相)は二枚舌だ」(The White House. “Remarks by President Trump and Chancellor Merkel of the Federal Republic of Germany Before Bilateral Meeting.” 4 December 2019.)

 トランプ氏を怒らせた映像とは、次のような内容である(The Guardian. “Princess Anne, Johnson, Trudeau and Macron appear to joke about Trump at Nato summit – video.”)

 前日の3日夜、ロンドンのバッキンガム宮殿で開催されたNATO創立70周年記念行事で、カナダのトルドー首相、英国のジョンソン首相、フランスのマクロン大統領らがグラスを片手に雑談している場面で、ジョンソン氏がマクロン氏に「なぜ遅刻したのか?」と尋ねたところ、トルドー氏が「『彼』が会談の冒頭で40分間記者会見したからだ」と説明。さらにトルドー氏は、「『彼』のチームを見ていたら、(びっくりして)口をあんぐり開けていたよ」と身ぶり手ぶりをつかっておかしそうに話していた。

 トルドー氏は「彼」の名前を言わなかったが、明らかにトランプ氏を指していた。トランプ氏はこの日、トルドー、マクロン両氏とそれぞれ会談したが、30分以上にわたって記者団の前でしゃべり続けていたからだ。

拡大ホワイトハウスに到着したカナダのトルドー首相(左)を迎えるトランプ大統領=ワシントン、ランハム裕子撮影、2019年6月20日

 ただ、このエピソードはトランプ氏に対し、各国首脳らが表面上はうやうやしく接しているにもかかわらず、陰で物笑いの種にしていた、という話で済む問題ではない。トランプ氏に対するNATO主要国側の不信をみてとることができるからだ。

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筆者

園田耕司

園田耕司(そのだ・こうじ) 朝日新聞ワシントン特派員

1976年、宮崎県生まれ。2000年、早稲田大学第一文学部卒、朝日新聞入社。福井、長野総局、西部本社報道センターを経て、2007年、政治部。総理番、平河ク・大島理森国対委員長番、与党ク・輿石東参院会長番、防衛省、外務省を担当。2015年、ハーバード大学日米関係プログラム客員研究員。2016年、政治部国会キャップとして日本の新聞メディアとして初めて「ファクトチェック」を導入。2018年、アメリカ総局。共著に「安倍政権の裏の顔『攻防 集団的自衛権』ドキュメント」(講談社)、「この国を揺るがす男 安倍晋三とは何者か」(筑摩書房)。メールアドレスはsonoda-k1@asahi.com

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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