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新型コロナ蔓延のフランスでパリを脱出する市民たち

大統領が野戦病院から演説。「外出禁止」も延長。国民の間に高まる「戦時下」の意識

山口 昌子 パリ在住ジャーナリスト

外出するときは「証明書」携帯が義務

 「外出禁止令」が発布される前、すでに学校封鎖に続いてレストラン、カフェ、ディスコの閉鎖はもとより、100人以上の、そして5人以上の「集会禁止令」が出ており、映画館も劇場も閉鎖された。生活に必要不可欠な「食料品店」と「薬局」のみが開店を許可されているが、人と人とが1㍍以内に接近するのは禁止なので、近づきすぎるとガードマンが接近しないように警告を発する。握手、ハグなど当然、厳禁だ。

 外出するときは、政府発行の「証明書」の携帯も義務付けられている。「証明書」はインターネットの「政府」のサイトで入手し、印刷して書き込みをする。(パソコンも印刷機もない者は手書きで「証明書」作成が可)。職業用と個人用の2種類あり、いずれも、「性別、氏名、生年月日、現住所」と「外出目的」を項目の中から選んで印をつけ、「署名」する。

 「署名」した以上、虚偽の記入があれば、刑罰に問われる。携帯していない場合は、罰金135ユーロ(1ユーロ=約120円)。2週間以内に再犯した場合には1500ユーロ、4回になると最高で3700ユーロ、6カ月の禁固刑だ。

「外出禁止」違反が続々

 大統領や保健相、医療関係者が声を涸(か)らして、「外出禁止」がCovid-19から自分と他者を保護し、「蔓延」を防ぐ唯一の方法だと叫び、政令まで発布し、罰金刑まで科すのは、見方を変えれば、それだけ、フランス人が自分勝手、制御不能だからだ、といえる。

 実際、「外出禁止」令が出た翌日の3月18日には1日だけで、4095人の違反者(内務省)が出た。

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筆者

山口 昌子

山口 昌子(やまぐち しょうこ) パリ在住ジャーナリスト

1990年よりパリ在住ジャーナリスト。主著書に『大統領府から読むフランス300年史』『パリの福澤諭吉』『ココ・シャネルの真実』『原発大国フランスからの警告』『フランス流テロとの戦い方』など。

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