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森友学園事件で首相には“忖度させた責任”がある

“文集砲”で再燃した森友事件を世論は決して忘れていない

田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授

首相の発言が改ざんの原因と妻が確認

 首相や財務省のこうした対応を受け、赤木夫人はさらに直筆のメッセージを公表した。それは問題の核心を突き、極めて明快である。

 その冒頭で、「安倍首相は2017年2月17日の国会の発言で改ざんが始まる原因をつくりました」と断定しているのが目をひく。

 その発言とは、テレビで何度となく放映されている“あの場面”だ。

 「私や妻が関係しているということになれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい。まったく関係ない」

 これまでも、この首相発言が文書改ざんへの“号砲”のように言われてきたが、今回、改ざんに着手した当事者の妻がそれを確認したことになる。

周りに忖度させた責任

拡大参院予算委で、立憲民主党の福山哲郎幹事長の森友問題に関する質問を聞く安倍晋三首相=2020年3月23日
 首相は3月23日の国会答弁で、「手記の中には、私の発言がきっかけだったという記述はない」と自身の答弁の影響を否定した。確かにそのような記述はない。だが、赤木氏のすべてを知る夫人がそう語ることには、格別の重みがある。

 もし、ある重要人物が「暑いな」とつぶやけば、周辺の誰かが明示的な指示がなくても、慌ててクーラーのスイッチを入れるだろう。大声で強く叫べば、

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筆者

田中秀征

田中秀征(たなか・しゅうせい) 元経企庁長官 福山大学客員教授

1940年生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒。83年衆院選で自民党から当選。93年6月、自民党を離党し新党さきがけを結成、代表代行に。細川護熙政権で首相特別補佐、橋本龍太郎内閣で経企庁長官などを歴任。著書に『平成史への証言 政治はなぜ劣化したのか』(朝日選書)https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20286、『自民党本流と保守本流――保守二党ふたたび』(講談社)、『保守再生の好機』(ロッキング・オン)ほか多数。

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