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緊急事態宣言が目前に迫る!「首都封鎖」そしてその先にあるもの

佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

 3月30日の月曜日は、日本にとって新たな大きい悲劇が始まった日として記憶されるかもしれない。

 この日、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が出される、という情報が私に届いた。もちろん、この情報のニュースソースをここに記すわけにはいかないが、その経路を考えれば十分に納得のいく情報だ。

 折しも28日の土曜日には午後6時から首相官邸で記者会見が予定されている。この会見予定について各マスコミは「新型コロナウイルス感染拡大の防止策や、緊急経済対策などについて説明する」(27日午後5時40分、日本経済新聞)などと報じているが、私が得た情報からすれば、緊急事態宣言の説明に充てられる可能性は十分ある。

 もっとも、そうでないとしても、安倍政権が近々、緊急事態宣言を出すことを十分考えていることは間違いない。

拡大新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、東京・上野恩賜(おんし)公園の花見の名所である「さくら通り」は通行止めとなった=2020年3月27日午後3時39分

3週間の首都封鎖に耐えられるか

 学校への一斉休校要請を出した時もそうだったが、突然要請や宣言を出して国民を驚かせるのが安倍首相の常套手段だ。

 国民や市場関係者を驚かせてアナウンスメント効果を高める方法は確かにあるが、今回のように、コロナウイルスを封じ込めるための宣言の場合にはほとんど意味がない。

 日本のように、政府の要請などに対して国民の理解度、熟度が高い国柄の場合、むしろその判断に至った専門家などの意見を公開し、報道機関や国民との直接の対話を積み重ねた末に発表すべきものだ。

 突然の発表はアナウンスメント効果を高めるどころか、反発を招きかねない。私は安倍政権を特別に支持しているわけではないが、その意味でこの記事はそのような反発を弱める働きをするかもしれない。

 安倍首相が緊急事態宣言を出すと、各都道府県知事は、次のことができるようになる。

 ①住民に外出自粛を要請、②学校や福祉施設などの使用停止要請や指示、③音楽やスポーツなどイベント開催制限の要請や指示、④臨時医療施設の土地や建物の強制使用、などだ。

 このうち、住民の外出自粛要請が最も重い措置となるだろう。小池百合子・東京都知事が首都圏封鎖を意味するロックダウンについて言及しているが、これが現実のものとなれば、その経済的影響は計り知れないほど大きいものとなる。

 緊急事態宣言の対応の指針となるのは基本的対処方針。その内容を検討する諮問委員会は3月27日に初会合を開き、28日にも方針をまとめる。各報道機関が報道する方針案によると、都道府県知事が外出自粛やイベント中止を要請できる期間は「21日程度」、つまり3週間程度。

 仮に3月30日に緊急事態宣言が出されて、その日に首都圏ロックダウンが始まるとすれば、終了するのはその3週間後、すなわち4月19日となる。日本史上初めての体験となるこの3週間の首都圏封鎖に東京と日本経済は耐えられるだろうか。

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筆者

佐藤章

佐藤章(さとう・あきら) ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

ジャーナリスト学校主任研究員を最後に朝日新聞社を退職。朝日新聞社では、東京・大阪経済部、AERA編集部、週刊朝日編集部など。退職後、慶應義塾大学非常勤講師(ジャーナリズム専攻)、五月書房新社取締役・編集委員会委員長。著書に『ドキュメント金融破綻』(岩波書店)、『関西国際空港』(中公新書)、『ドストエフスキーの黙示録』(朝日新聞社)など多数。共著に『新聞と戦争』(朝日新聞社)、『圧倒的! リベラリズム宣言』(五月書房新社)など。

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