[181]<3・11>、南三陸、首相記者会見、植松聖被告の判決公判……
2020年03月28日
3月11日(水) <3・11>から9周年の日。今年は新型コロナウイルス禍のために、政府の追悼式典が中止になった。何かを象徴しているような気がしてならない。そのくせ、「復興五輪」と銘打ったオリンピックは予定通り開催すると言っているのだから、何か根本的なところが腐っているのだ。
毎年のようにお会いし続けてきた南三陸の西城たけさん宅にうかがうことにする。新幹線で仙台まで出てそこからは車で向かう。あらかじめ来訪をお知らせしておくと、食事などを準備されてしまう経験があったので、今回は敢えて突然うかがうことにした。たけさんはお元気だった。今年90歳になるという。ただ少し前よりも耳が遠くなった。自宅前の畑仕事を楽しみにしていた。自分で開墾した山へは雑木を切りに今でも入っていくという。土地と共に生きてきた人は強さがある。たけさんにはさらにユーモアがある。
南三陸は旧防災対策庁舎の周辺が整備され、震災遺構として復興祈念公園がオープンしていた。まるで別物の風景である。何組もの同業者たち=テレビ局が取材・中継に繰り出していた。
仙台駅で新幹線のチケットをどこかで落としてしまったことに気づく。まいった。車内でJR乗務員に相談したら「落とし物として届いていますよ。東京駅で説明すれば大丈夫」と言われる。ありがたいことだ。夕方、春のセンバツ、中止決定。戦後初のことだ。
3月12日(木) 朝久しぶりに早起きしてプールへと向かう。今日はさすがにやっているはずだと思って行ったら、オープンしていた。けれどもジムのレッスンなどは休止していていつもの活気はない。プールは空いていてよかった。運動不足で体がなまっていたので泳ぐと気持ちがいい。
夜、知人から薦められた映画『ミッドサマー』をみる。何ともまあ、ゲテモノ映画だ。僕はゲテモノ好きなので見てしまった。映像が退廃美とでもいうか。カルトのおっそろしさをゲテモノで描いた映画かなあ。嫌いじゃない、いや、好きな映画だ。
3月13日(金) NYダウ大暴落。1987年のブラックマンデー以来の下げ幅。リーマンショック以上のことが起きうるか。トランプまで東京五輪延期についてツイートした。きのうに続いてプールへ行き泳ぐ。空いているので気持ちよく泳げるのだ。午後、世田谷パブリックシアターから電話が入り、楽しみにしていたピーピング・トムの公演『マザー』が中止になったと伝えられる。がっかり。
16時36分、改正新型インフルエンザ等対策特措法が国会で成立。これによって「緊急事態宣言」が可能になった。歴史を画する日になったのだ。にもかかわらず、野党の腰砕けぶりは悲惨だった。
夕方、明日の午後6時から安倍首相の記者会見が設定されたとのこと。それで明日オンエアされるはずだった相模原津久井やまゆり園事件の特集は延期されるとの通告。何てこったい。夜、あしたの首相記者会見に行くことになる。何てこったい。今の首相会見事情では、僕が挙手してもあてられないだろうが、万が一あてられた場合の質問案を考える。虚しい。何てこったい。
3月14日(土) 首相会見に一喜一憂するテレビの状況が怖ろしい、というか、メディアとしての主体性のなさに不快感が募る。
「報道特集」のオンエア。きのうの連絡通り、僕は首相官邸の会見場へと向かうことになる。
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