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選挙ポスターの「若作り」で、政治家はどれほど得をするのか?

公選法の規制対象外で「修正し放題」の選挙写真

河野勝・櫻井美里 /早稲田大学政治経済学術院教授・早稲田大学河野勝ゼミ16期生

実年齢より「39歳も若く見える写真」を用いた候補者も

 分析する素材として選んだのは、2019年4月の統一地方選挙で実施された東京都区議会議員選挙に立候補した方々の選挙ポスターである。衆議院や参議院の選挙では、メディアでの露出が多い現職議員や著名なタレントなど固定したイメージがすでに完成されている候補者も競い合っていて、ポスター自体が与える影響を特定しにくいと考えたからである。

拡大2012年の東京都知事選挙で「加工しているのではないか」と話題になった猪瀬直樹(候補)の写真

 われわれは、この選挙期間中(4月14日〜21日)に、選挙管理委員会が定めた選挙ポスターの公営掲示場に行き、ほぼ全ての候補者のポスター写真を画像データとして収集することができた。そして、Microsoft社が提供している顔認識ソフトウェア「Face API」を通して読み込んで、表情から様々な特徴を推定した。表情測定ツールは他にもあり試したが、事前の予備的分析の結果からFace APIから得られる推定は極めて信頼性が高い(誤差の少ない)と判断した。

 Face APIは、性別の判定、顔の傾きやメイクアップの有無、さらにはどのくらい笑っている顔であるかといった感情についての様々な印象まで数値化して

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筆者

河野勝・櫻井美里

河野勝・櫻井美里 /早稲田大学政治経済学術院教授・早稲田大学河野勝ゼミ16期生

こうの・まさる 1962年東京都⽣まれ。スタンフォード⼤学博⼠(政治学)。ブリティッシュ・コロンビア⼤学助教授などを経て、現在、早稲⽥⼤学政治経済学術院教授。著書にJapan's Postwar Party Politics (Princeton University Press)、『制度』(東京⼤学出版会)、『政治を科学することは可能か』(中央公論新社)など/ さくらい・みり 1997年東京都⽣まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2019年度(第20回)早稲田大学政治経済学会が主催した学生論文コンクールで入賞。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです