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感染経路の追跡アプリが世界で続々 そして日本は・・・

再論・キカイ音痴のマヌケな安倍政権

塩原俊彦 高知大学准教授

 3月25日付の米国の情報によると、ボストン小児病院とハーバード大学医学大学院は米国での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の広がりを症状の段階でつかむための情報を収集し、地図上に示すシステムを構築した。アップル、アマゾン、グーグルの技術者らが協力して「COVID Near You」というウェブサイトを創設したのである。

非政府機関や民間レベルの結束

拡大サイト「COVID Near You」の画面から

 これまで世界保健機関(WHO)によって提供された感染者数を使ったグーグルの国別の地図やジョン・ホプキンス・コロナウイルスセンターの地図はあったが、いずれも検査で陽性と認められた感染者ベースのものであった。

 これに対して、新しいサイトはボストン小児病院などによって開発・運用されてきた「Flu Near You」の姉妹版で、一般の人々に症状や検査活動を報告してもらってCOVID-19の感染の兆しをいち早く察知できる。2週間に一度の頻度で更新してゆく。匿名性を確保しつつ、感染の予兆から感染流行を予測したり、早期発見につなげたりする。

 サイトでは、「気分はどうか」と最初に尋ねられる。「よくない」と答えると、つぎの画面で、熱、せき、くしゃみ、疲労感、鼻水、頭痛、下痢、息切れなどの症状を選択する。つぎの画面で、「これらの兆候のために医者にみてもらったか」という質問にYesと答えると、「COVID-19の検査を受けましたか」という質問につづく。このようにして、幅広い人々からCOVID-19への感染がまだはっきりしない人々の病気への兆しにかかわる情報を収集するわけである。

 英国でも、キングス・カレッジ・ロンドンが中心となってCOVID-19の感染予兆を追跡するための「COVID Symptom Tracker」の運用をはじめている。3月26日現在、132万人以上が参加している。利用者はアカウントを開設し、性別、年齢、体重、郵便番号、喫煙習慣の有無などの情報を伝える。あとは毎日、COVID-19にかかわる身体の兆候について報告するよう求められる。具体的には、熱、せき、疲労感、味覚や臭覚の減退などが尋ねられる。

 米国には、マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学などが開発した「Private Kit: Safe Paths」というアプリもある。このアプリ利用者が検査で陽性となった場合、その人の位置データを保健当局と共有でき、利用者はその感染者と接触したかどうかを、個人を特定せずに知ることができる。
こうした非政府機関や民間レベルの結束は何とも頼もしい。日本のように、PCR検査を意図的に抑制し、感染者の実態を隠蔽しているとしか思えない国にいると、うらやましくさえ思えてくる。

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

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