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「怒り」を訴えたれいわ・木村英子参院議員は何を伝えたかったのか(上)

コロナ対策協議会に参加できず、こぼれ落ちる「当事者」の声

松下秀雄 「論座」編集長

初登院した「れいわ新選組」の木村英子さん(中央)=2019年8月1日午前9時21分、国会前拡大初登院した「れいわ新選組」の木村英子さん(中央)=2019年8月1日午前9時21分、国会前
   

 昨年夏の参院選で初当選した、れいわ新選組の木村英子さんが3月19日、緊急に記者会見を開き、「怒りを感じている」などと訴えました。コロナウイルス対策に関する政府・与野党連絡協議会が設けられたのに、小さな会派には声がかからず、参加を申し出ても認められなかったためです。重い障害のある当事者として、何を伝えたかったのか。その思いや、議員活動の成果と壁などを、木村さんに聞きました。上下2回でお伝えします。

プロフィール

木村英子(きむら・えいこ) 参議院議員。1965年、横浜市生まれ。生後8カ月で歩行器ごと玄関から落ち、重い障害を負う。18歳までの大半を施設と養護学校で暮らしたが、19歳の時に東京都国立市で自立生活を開始。全国公的介護保障要求者組合・書記長などを務める。2019年7月の参院選に、れいわ新選組から立候補して初当選。

気管を切開している当事者がいるのに

インタビューに応える木村英子さん=2020年3月23日、東京都多摩市拡大インタビューに応える木村英子さん=2020年3月23日、東京都多摩市
 ――記者会見を開いたのは、どんな思いからだったのでしょうか。

 せっかく私と舩後さん(舩後靖彦参院議員)が、障害のある当事者の代表として議員にならせてもらっているので、直接、当事者の声を届けることを認めていただきたかったということがありまして。「助けてほしい」という訴えが、私の事務所にきているので。

 コロナウイルスの感染拡大で、現場ではさまざまな問題が起こっています。

 障害をもっている人は、もしコロナウイルスに感染したら、とても重症になる可能性が高い。それなのに、きちんとした防御策が整えられないまま、気管を切開している方のところにヘルパーさんが派遣される例もあります。

 ヘルパーが派遣されずに困っている方もいます。ヘルパーさんも「感染するんじゃないか」という不安を抱えているので派遣を断ったりする。たまたま利用者が熱をだした時に「コロナじゃないか」と疑われ、お医者さんにいって風邪だったんだけれども「コロナが陰性じゃないと行きたくない」というヘルパーさんもいます。

 ですから、いま地域で障がい者が置かれている現状を伝えたい。感染の防御策についても、舩後さんは気管を切開している方なので、感染防御についてかなり熟知していると思うんです。せっかくそういう当事者が議員なのだから、当事者の意見がプラスされれば、より充実した対策ができるんじゃないでしょうか。

 それなのに、なぜ協議会への参加を呼びかけていただけないのか。私たちの意見は採り入れてもらえないのか。「要望はペーパーで出してほしい」という回答でしたが、せめて直接、こちらの意見を聞いてほしかった。

 政府・与野党連絡協議会は3月19日に初会合を開催。政府の西村明宏官房副長官ら、与党の自民・公明、野党統一会派の立憲・国民・社民・社保と、共産、日本維新の会の政策責任者が参加した。れいわなどの小さな会派に呼びかけはなく、れいわが参加を求めても認められなかった。れいわは政府に対し、福祉施設や在宅の人工呼吸器利用者に消毒用アルコールやマスクを優先的に支給する▼体調が悪い介護者や障がい者が優先的にPCR検査を受けられるようにする▼ヘルパー不足に対する緊急対応策を打ち出す▼電話での相談が困難な障がい者もいるため、相談窓口や保健所、医療機関の連絡先にファクス番号やメールアドレスを記載する――などの要望を提出した。

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筆者

松下秀雄

松下秀雄(まつした・ひでお) 「論座」編集長

1964年、大阪生まれ。89年、朝日新聞社に入社。政治部で首相官邸、与党、野党、外務省、財務省などを担当し、デスクや論説委員、編集委員を経て、2020年4月から言論サイト「論座」副編集長、10月から編集長。女性や若者、様々なマイノリティーの政治参加や、憲法、憲法改正国民投票などに関心をもち、取材・執筆している。

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