15理事国の議論形骸化、常任理事国対立で動けぬ弊害深刻化のおそれ
2020年04月08日
国際の平和と安全の維持という重い責任を担う国連の中枢、安全保障理事会に異変が起きている。新型コロナウイルスへの対応でネット会議の本格導入に踏み切ったのだ。感染拡大を防ぐため接触を避けるのが世の流れとはいえ、丁々発止のやり取りや水面下の駆け引きでぎりぎりの合意を探ってきた安保理の存在感が薄れかねない。
4月から安保理の予定表に、Open debate(公開討論)やConsultation(非公式協議)に代わり、Open VTCやClosed VTCという言葉が頻繁に現れるようになった。VTCはVideo Teleconferences of the Councilの略で、国連発足75年で初めて安保理に本格導入されたネット会議のことだ。
3月に入って米国ニューヨークは新型コロナの渦中となり、マンハッタンの国連本部ビルも閑散となった。約1万1千回あった1日あたりの人の出入りは3月末で100回以下になり、ほとんどの職員や外交官は自宅でテレワークをしている。
15理事国からなる安保理は特別に活動を続けたが、それでも3月12日を最後に会合を開けなくなり、30日にはついに初のネット会議で決議4本を採択した。「不拡散/北朝鮮」「ソマリアの状況」「スーダンと南スーダンに関する事務総長報告」「国連平和維持活動」と、重いテーマばかりだ。
新型コロナ問題が長期化しても、安保理の機能を止めるわけにはいかない。そこで月替わりの議長国が3月の中国から4月のドミニカに代わったのを機に、ビデオ会議を当面続けるべく制度化したというわけだ。
ドミニカは3月末に他の理事国に対し、「前例のない状況で4月の議長国となる」としてネット会議の指針案を提示し、了承された。「安保理が最大限の活動をできるように」という内容は、次のようなものだった。
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