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韓国的新型コロナ対策――監視と感染抑止のジレンマ

日本でもできること、できないこと

伊東順子 フリーライター・翻訳業

プライバシー保護と徹底検疫のジレンマ

 この公開原則がどれほど徹底しているか、具体的な例として3月21日に最寄りのスーパーから私のスマホにきたメッセージを日本語に翻訳してみる。すでに他でも紹介したが、これが一番わかりやすいようだ。

3月21日に保健所から、「新型コロナ19確診者」が当店に立ち寄ったとの通報を受けました。以下がその内容です。
(監視カメラによる確認事項)
①3月18日午後4時12分頃 駐車場側の入口から来店(接触者なし/マスクおよび手袋着用)
②3月18日午後4時12分~15分 干し唐辛子を購入後、セルフ計算台を利用(接触者なし/マスクおよび手袋着用)
③3月18日午後4時15分~16分 正面玄関から退店(接触者なし/マスクおよび手袋着用)
総滞在時間4分
当店では、以下の措置を実行します。
1. 臨時休業 3月21日20時~22日
A.防疫専門業者による防疫および消毒
B.職員と店主の健康状態の確認
C.店舗の安全点検
2. 再開店日 3月23日(10:00)

 この情報は、保健所でのPCR検査(陽性)→保険証→住民番号→クレジットカード→監視カメラで得られている。韓国の住民番号はクレジットカードはもちろん、携帯電話やパスポートなど、すべてのものにつながっている。現在は、住民番号さえあれば、保健所や病院で、その個人の海外渡航歴まですべて知ることができる。

 台湾なども同じシステムのようだが、日本のマイナンバーにはこのような機能はないだろう。別のメディアで紹介したところ様々な疑問が寄せられたが、主な関心は次の3つだと思う。

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筆者

伊東順子

伊東順子(いとう・じゅんこ) フリーライター・翻訳業

愛知県豊橋市生まれ。1990年に渡韓。著書に『韓国カルチャー──隣人の素顔と現在』(集英社新書)、『韓国 現地からの報告──セウォル号事件から文在寅政権まで』(ちくま新書)など、訳書に『搾取都市、ソウル──韓国最底辺住宅街の人びと』(イ・ヘミ著、筑摩書房)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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