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新型コロナで緊急事態宣言 「いまは戦時だ」が招く未知のコスト

致死率はだいぶ分かってきたが人為的に生み出される経済恐慌のコストは誰も分からない

三浦瑠麗 国際政治学者・山猫総合研究所代表

 現在、私たちが危機の時代を生きているということに同意しない人は、ほとんどいないでしょう。しかし、その危機が天から降ってきたものによるのではなくて、人間たちが自ら招き寄せているものであるということに気付いている人は、どれだけいるでしょうか。

 「アフター・コロナ」=新型コロナウイルス禍以後について語るのは、まだまだ早すぎると思う人は少なくありません。実際、多くの対処策や人々の行動は、このウイルス禍がどれだけの影響を社会に残し、どれだけ続くのかが分からないまま、取られています。そして、そうした現実に自覚的であったり疑問を呈したりする人はまれです。

 しかし、私はそうした状態が望ましいとは思いません。「いまは戦時だ」という、最近よく耳にする言い方にもあやういものを感じます。緊急事態宣言が発出されたいま、「アフター・コロナ」を視野に、現状について論じてみたいと思います。

拡大緊急事態宣言を発令した安倍晋三首相の会見を映すJR名古屋駅前の大型ビジョン=2020年4月7日午後7時15分、名古屋市中村区


筆者

三浦瑠麗

三浦瑠麗(みうら・るり) 国際政治学者・山猫総合研究所代表

1980年神奈川県茅ケ崎市生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。専門は国際政治、比較政治。東京大学政策ビジョン研究センター講師などを経て現職。著書に『シビリアンの戦争―デモクラシーが攻撃的になるとき』(岩波書店)、『「トランプ時代」の新世界秩序』(潮新書)、『あなたに伝えたい政治の話』(文春新書)、『21世紀の戦争と平和 徴兵制はなぜ再び必要とされているのか』(新潮社)など。政治外交評論のブログ「山猫日記」を主宰。公式メールマガジン、三浦瑠麗の「自分で考えるための政治の話」をプレジデント社から発行中。共同通信「報道と読者」委員会第8期、9期委員、読売新聞読書委員。近著に『日本の分断―私たちの民主主義の未来について』(文春新書)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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