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フェーズが変わった!新型コロナとの戦いは「パスカルの賭け」で

日本は特殊ではない。欧米と同様の事態を想定して対策をとることが必要だ

松川るい 自民党参院議員

拡大新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、緊急事態宣言の対象区域拡大について発言する安倍晋三首相(右から2人目)=2020年4月16日午後8時27分、首相官邸

 カミュの名著「ペスト」に、「この瞬間から、われわれすべての者の事件になったということができる」という一節がある。それまで普段の生活を続けてきたフランスのオラン市市民が隔離され、「愛する者との別離というような個人的な感情が、にわかに一般市民全体の感情となり、そして恐怖心とともに、この長い追放の期間の主要な苦痛となったのであった」と続く。

「ペスト」を読み直して戦慄

拡大カミュ『ペスト』(新潮文庫)
 敬愛する村上春樹風にいえば、「やぎが紙を食べるようにかたはしから」活字をむさぼっていた中学生の頃、「中2病」(当時そのような言葉はなかったが)そのままに、太宰や三島を読む延長でカミュの「異邦人」を読んで気をよくした私は「ペスト」も手に取ったのだが、やたら死亡者の数字ばかり出てくる砂をかむような小説という感想だけをもって、途中でページを閉じた覚えがある。

 その「ペスト」を読み直して戦慄(せんりつ)した。

 オラン市民も市政府も、まず疫病の存在を否定し(えらく長い時間がかかる)、次に受け入れて恐怖に陥り、そのうち慣れて不感症的になり、最後に解放されるが、その時には市民の半分が死んでいる。私同様つまらない本と思った方も、今読めば、市民の感情の変化から死にゆく人々の姿、最前線で戦う医師たちのプロフェッショナリズムなど、過去に気づかなかった様々なことに気づかされることだろう。

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筆者

松川るい

松川るい(まつかわ・るい) 自民党参院議員

1971年生まれ。東京大学法学部卒。1993年、外務省に入り、国際情報統括官組織首席事務官、日中韓協力事務局事務局次長(大韓民国)、女性参画推進室の初代室長などを歴任。20168年外務省退職し、同年7月の参院選で初当選。現在、外交防衛委員会委員、予算委員会委員、自民党外交部会副部会長、 国際局次長、女性局次長、広報戦略局次長などをつとめる。当選1回。大阪選挙区。