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アイ・シャル・リターン 再び「目に見える」存在となった小池都知事

「今のところ最も首相に近かった日本女性」のこれまでとこれから

岩本美砂子 三重大学人文学部教授

女性タレント議員の系譜

 小池はキャスター出身であり、タレント議員の流れの中にもいる。日本の女性タレント議員第1号は、1962年選出の藤原あきである。

拡大参院選当確の発表にジュースで乾杯する、藤原あき氏=1962年7月2日

 藤原は旧姓を中上川というが、16歳の時に強制結婚させられた。それがテノール歌手藤原義江と恋に落ち、1928年に夫と離婚してイタリアに住んだ(「世紀の恋」と言われたが戦後離婚した)。1955年にNHKの人気番組『私の秘密』のレギュラー出演者となった。自民党がこの人気に目をつけ、1962年の参院選の全国区に擁立し、116万票の大量得票でトップ当選した。ただ任期を全うせず、1967年に69歳で没している。同じ時にやはりタレントと言われた随筆家森田たまも当選しているが、1期で辞めており、もし藤原が長命であったとしても、政治家を続けたかどうかはわからない。

 1968年の参議院選挙は、東京オリンピックの女子バレーボール監督であった大松博文、作家の石原慎太郎、NHKの上田哲、マルチタレントの青島幸男らが立候補し、タレント選挙となった。

 1971年にはNHKの「歌のおばさん」安西愛子が立候補、1974年には子役出身でクイズ番組名物の山東昭子と、戦前からの女優でワイドショー『3時のあなた』の司会の山口淑子、1977年には宝塚出身でやはり『3時のあなた』の司会、歌舞伎の中村扇雀の妻の扇千景が参議院議員となっている。

 男性タレントは、おそらくアナウンサーの宮田輝や青木圭三を除いて、自分から政界に飛び込んでいるところが見えるが、藤原・安西・山東・扇は、自民党のトップに乞われて立候補している。

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筆者

岩本美砂子

岩本美砂子(いわもと・みさこ) 三重大学人文学部教授

1957年生まれ。京都大学法学部卒業、名古屋大学大学院法学研究科単位取得退学。名古屋大学法学部助手などを経て現職。 専攻は政治学、ジェンダー。主な論文に「女のいない政治過程」(1997年、『女性学』vol.5)、「日本のジェンダーを巡る政策過程の特徴について:立法・行政・司法」(2013年『国際ジェンダー学会誌』11号)、監訳書にT.ノーグレン著『中絶と避妊の政治学』(2008年、青木書店)。 

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです