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米朝交渉は「失敗する運命」にあるのか

第5部「『炎と怒り』から『恋に落ちた』―戦略なき衝動外交」(5)

園田耕司 朝日新聞ワシントン特派員

米朝交渉は「失敗する運命」か

 トランプ大統領がICBM以外の弾道ミサイル発射を容認する姿勢を示していることで、北朝鮮に対する国際社会の包囲網を弱めている。

 国連安全保障理事会は2019年12月4日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、非公開で対応を協議したものの、安保理としての見解を示すことはできず、英、独、仏、ポーランド、ベルギー、エストニアという欧州6カ国だけが非難声明を出すのにとどまった。

 短距離・中距離弾道ミサイルの射程内にある日韓両国は「度重なる弾道ミサイルの発射は我が国のみならず国際社会に対する深刻な挑戦」(安倍晋三首相)などと北朝鮮を批判するが、トランプ氏が主導して北朝鮮の弾道ミサイル発射を容認している以上、米側の姿勢には公然と不満を示すことはできない。

 北朝鮮はその隙間をついて弾道ミサイル発射を繰り返し、国際社会の分断を図っているといえる。北朝鮮問題をめぐり、米国がアメリカ・ファースト路線に固執している以上、国際社会の足並みはそろわず、北朝鮮だけが利益を得るという構図になっている。

 北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉の停滞が続く中、米国の外交安全保障専門家の間では「(米朝交渉は)失敗する運命にある」(ボルトン前大統領補佐官)という見方が強まっている(Lippman, Daniel. “Bolton unloads on Trump’s foreign policy behind closed doors.” 18 September 2019.)。

 しかし、ブルックス前在韓米軍司令官は「私はその見方に同意しない」と語る(ビンセント・ブルックス氏へのインタビュー取材。2020年1月4日)。

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筆者

園田耕司

園田耕司(そのだ・こうじ) 朝日新聞ワシントン特派員

1976年、宮崎県生まれ。2000年、早稲田大学第一文学部卒、朝日新聞入社。福井、長野総局、西部本社報道センターを経て、2007年、政治部。総理番、平河ク・大島理森国対委員長番、与党ク・輿石東参院会長番、防衛省、外務省を担当。2015年、ハーバード大学日米関係プログラム客員研究員。2016年、政治部国会キャップとして日本の新聞メディアとして初めて「ファクトチェック」を導入。2018年、アメリカ総局。共著に「安倍政権の裏の顔『攻防 集団的自衛権』ドキュメント」(講談社)、「この国を揺るがす男 安倍晋三とは何者か」(筑摩書房)。メールアドレスはsonoda-k1@asahi.com

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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