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新型コロナ禍の日本に漂う「差別」を正当化する異様な空気感

分断を煽るスローガン「JAPANESE ONLY」が公然と掲げられ……

安田菜津紀 フォトジャーナリスト

「JAPANESE ONLY」を擁護する声

拡大2014年3月8日、埼玉スタジアムのコンコースから観客席に通じる出入り口に掲げられた「JAPANESE ONLY」の横断幕=サポーター提供
 「JAPANESE ONLY」という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべ、何を感じるでしょうか。

 私が真っ先に思い浮かべたのは、2014年3月のJ1リーグ、浦和レッズの試合でした。

 試合が行われた埼玉スタジアム2002の浦和レッズのサポーター側に、「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕が掲げられことが問題視され、チームに1試合、無観客試合という処分が下ったのです。国籍や出自に対する差別には、毅然とした態度で臨まなければならないのだ。という投げかけだったのではないかと思います。

 ところが最近、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、街中の飲食店に、あれだけ問題視された「JAPANESE ONLY」という言葉が公然と掲げられているのを目にするようになりました。

 当然のことながら、日本には様々なルーツの人々が暮らしています。感染防止の観点から見ても、「JAPANESE ONLY」にまったく合理性はありません。

 それにもかかわらず、「非常時なんだから当然だ」と擁護する声が飛び交っています。この言葉が、ある種の正当性を持っているかのように、ネット上だけではなく、街中にも堂々と表れはじめているのです。

拡大MIA Studio/shutterstock.com

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筆者

安田菜津紀

安田菜津紀(やすだ・なつき) フォトジャーナリスト

1987年神奈川県生まれ。Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)所属フォトジャーナリスト。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、カンボジアを中心に、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で貧困や災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。写真絵本に『それでも、海へ 陸前高田に生きる』(ポプラ社)、著書に『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』(新潮社)。『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

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