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包括的な「出口戦略」を急げ:あまりにも「マヌケ」な安倍政権への要望

ロードマップを明示し、国民間の議論を重ねて協力に結びつけよ

塩原俊彦 高知大学准教授

 しっかりした包括的な「出口戦略」の必要性が高まっている。現政権を批判しつづけるのは本意ではないが、あまりにも「マヌケ」な安倍政権を、いまこそ声を大にして糾弾しなければ日本国民の生命と財産は大きく毀損されるばかりだろう。

欧州の「出口戦略」に学べ

 すでにこのサイトにおいて、安倍政権の「マヌケ」ぶりは指摘してきた。3月25日の時点で「封建時代を思わせる「キカイ」音痴で「マヌケ」な安倍政権:このままでは日本全体が沈没しかねない」において、その絶望的な無能ぶりを厳しく批判した。にもかかわらず、安倍政権はまったく懲りていない。

 その「マヌケ」ぶりにおいては安倍晋三首相に近いドナルド・トランプ米大統領を見習っても意味はない。欧州連合(EU)の出口戦略に倣い、日本政府も包括的な出口戦略を一刻も早く策定すべきであると考える。

 EU首脳は4月15日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)脱却に向けたヨーロッパ共同ロードマップ」を公表した。EU全体として、COVID-19との闘いからどのように脱却すべきかという出口戦略を初めて明示したものだ。

拡大マスクをしてローマ市街を歩く買い物帰りの市民=2020年4月15日 Pino Mastrullo / Shutterstock.com

 15日に公表されたロードマップでは、既存の封じ込め措置をうまく徐々に解除するために必要な措置として七つの措置が指摘されている。

 ①データ収集としっかりした報告システムの構築、②データ保護を尊重した、モバイルアプリを利用した接触追跡や警告のための仕組みの創出、③検査能力の拡充と検査方法の調和(血清抗体検査についても言及)、④健康管理制度の能力や弾力性の増大、⑤医療従事者や個人向けの防御設備能力の継続的増大、⑥安全かつ効力あるワクチンの開発、⑦安全かつ効力ある治療や医薬品の開発――というのがそれである。

 封じ込め措置を撤廃する条件・基準として重要なのは、感染地域でのウイルス伝播の水準、住民間でのウイルスへの免疫の広がり、年齢層ごとの感染状況であると指摘されている。

 残念ながら、このロードマップは加盟国に強制力をもつ「指令」ではない。27の加盟国の対策は異なっており、共通の出口戦略を統一的に実施しようというところまでは至っていない。23日開催のEUサミットでは、このロードマップを「歓迎する」ことで合意しただけだ。

 各国別対応をみると、オーストリア(公園、小規模店などはすでに再開し、大規模店や理髪店は5月1日に再開)、チェコ(5段階の再開計画を4月20日から開始)、デンマーク(介護施設や初等学校はすでに再開し、レストランや喫茶店などは5月10日まで禁止)、スペイン(一部の工場や建設作業は再開したが、多くの店舗は閉鎖のまま)、イタリア(書店、クリーニング店などは再開し、完全封鎖は5月4日まで)、ドイツ(800㎡以下の店舗は4月20日に再開可能に)などと段階的な出口戦略を実施している(詳しくはThe Guardian紙を参照)。

 4月19日に規制の「漸進的かつ迅速な」緩和を予定していたベルギーは5月3日に同措置の実施を延期した。オランダは集団免疫獲得という方針をつづけている。

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

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