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ミニシアターを救え

[186]ミニシアター・エイド基金、首相記者会見、「ハートネットTV」……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

4月15日(水) 新型コロナウイルス禍が拡がる一方。アメリカでは外出自粛要請に反発して「自粛はいい加減にしろ、もう外で働かせろ」という声が労働者の一部から出てきているという。トランプ支持者が中心になっているらしい。何ということか。それに呼応するかのように、トランプ大統領は、経済活動の再開=Business as usualを急ぐ姿勢を見せている。状況判断がビジネス=銭儲け中心なのだ。

 そんななかでNY州のクオモ知事が存在感を増している。彼は記者会見で「この国(アメリカ合衆国)には王様は要らない。そのために憲法があって、大統領選挙があるんだ。経済活動の再開を決めるのは州の判断だ」と明言した。すごいなあ。合衆国ではなく、合州国というのが正しい。

 舞踏家の笠井叡さんに電話をして、先日の「DUOの會」のお礼を伝える。舞踏の公演は現下の情勢でほとんどが中止になっているという。

 15時半から、「ミニシアターを救え」という呼びかけに応じて、映画監督や劇場のオーナー、配給元の人々が省庁に支援を要請した後に、Zoomを使っての記者会見を開いた。僕らはその会場に直接出かけてZoom会見の様子を撮影させてもらった。

「ミニシアター・エイド基金」の発表会見に参加した発起人の深田晃司監督(右)、賛同人の斎藤工さん(中央)と渡辺真起子さん。それぞれ遠隔で参加し、インターネットで配信した 20200413拡大「ミニシアター・エイド基金」の発表会見。右から、発起人の深田晃司監督、賛同人の俳優・斎藤工さん、渡辺真起子さん=2020年4月13日

 白石和彌監督に話を聞いた。聞けば、旭川の出身だという。高校は旭川西高。同郷じゃないか。「ミニシアター・エイド基金」クラウドファンディングが、目標額の1億円に達したと言っていた。だがまだまだ桁が足りないと思う。ミニシアターの支持者は多いはずだ。古くは日本ATGの『初恋・地獄篇』(僕にとってのベスト1)から、原一男さんの『ゆきゆきて、神軍』や、森達也の『A』も、最近の『カメラを止めるな!』も、みんなミニシアターが最初だ。

 コロナウイルス損害補償の意味合いの減収世帯への30万円給付案がここに来て揺らいでいる。公明党の山口那津男代表が安倍首相に強硬に一律10万円給付を、とねじ込んだとの情報。何が起きているのか。

4月16日(木) 実際にミニシアターが休館になっている様子を撮りに、渋谷のラブホ街のどまんなかにあるユーロスペースに行く。同劇場の北條誠人さんに空っぽの映画館で話を聞く。壁に貼られてあったポスター写真群には思い出深いものがたくさんあった。そうか、ソ連のヴィタリー・カネフスキー監督『動くな、死ね、甦れ!』もユーロスペースが国内最初の上映だったのか。あの映画は、故・米原万里さんがVHSをモスクワに持ってきてくださって、モスクワでみた。すごい作品だった。

 減収世帯への30万円給付案が撤回されて、一律10万円給付と緊急事態宣言の全国規模拡大方針が固まった。あしたの夕方、それで首相記者会見が設定された。またプロンプター学芸会か。ウイルス対策会見仕様で、記者クラブ加盟社1社1名+その他枠10名という前回の方式が継続されているという。何だか本当におかしな時代に入ってきた。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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