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ポストコロナ危機の政治に向けて(上)

山口二郎 法政大学法学部教授(政治学)

1 政治システムをいかに再構築するか

① 政府の役割:強制力 共生原理 資金力と信用

 問題解決のための政治システムの基本的な特徴について、まず整理しておきたい。神野直彦の図式に従い、経済システム・市場、社会システム・共同体という他の二種類のシステムとの対比で、政治システムの特徴を捉えておきたい。市場の構成原理は、自発性、有償性、営利・競争の三つである。市場では選択の自由があり、マネーと財・サービスの交換が行われ、供給者は利益を求めて競争する。共同体は、家族や仲間のように、自発性、無償性、共生の三つの原理によって構成される。家族の扶養や介護などの対人ケアが特に共同体の任務とされる。

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筆者

山口二郎

山口二郎(やまぐち・じろう) 法政大学法学部教授(政治学)

1958年生まれ。東京大学法学部卒。北海道大学法学部教授を経て、法政大学法学部教授(政治学)。主な著書に「大蔵官僚支配の終焉」、「政治改革」、「ブレア時代のイギリス」、「政権交代とは何だったのか」、「若者のための政治マニュアル」など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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