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前のめりの「専門家チーム」があぶりだす新型コロナへの安倍政権の未熟な対応

専⾨家の役割はあくまで助⾔。政治的決断を下し責任を担うのは政権のはずなのに… …

牧原出 東京大学先端科学技術研究センター教授(政治学・行政学)

専門家登用の動きが鈍かった安倍政権

 なぜ、こうした状況が生まれたのであろうか。実際、感染が広がり始めた当初、政権は感染症対策の専門家にそれほど重きをおいていたわけではなかった。

 政権は1月30日、関係閣僚で構成する新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げているが、内閣官房が庶務を担当する新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(以下「専門家会議」)を開催したのは、2月16日、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で感染者が激増してからだ。感染症の専門家を登用すべきという声に対する政権の「初動」は、明らかに鈍かった。専門家会議の座長は脇田隆字氏、副座長が尾身氏であり、押谷氏も構成員である。

 2月25日には、厚生労働省クラスター対策班(以下「クラスター対策班」)が発足。データチームとリスク管理チームがつくられた。前者に深く関わるのが西浦氏であり、後者は東北大学と連携している点で、同大教授の押谷氏が関わっているものと思われる。その結果、クラスター対策が2月末から本格的に始まった。

似たような会議が次々と設置

 専門家の主要メンバーが出そろったこの時期から、専門家会議は「見解」、さらに「状況分析・提言」を公表し始める。

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筆者

牧原出

牧原出(まきはら・いづる) 東京大学先端科学技術研究センター教授(政治学・行政学)

1967年生まれ。東京大学法学部卒。博士(学術)。東京大学法学部助手、東北大学法学部教授、同大学院法学研究科教授を経て2013年4月から現職。主な著書に『内閣政治と「大蔵省支配」』(中央公論新社)、『権力移行』(NHK出版)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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