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「9月入学」は実現可能だ!~問題点と対処法

根本的な改革は平時には進展しない。コロナ危機を機に停滞してきた議論を動かせ

登 誠一郎 元内閣外政審議室長

1.問題の所在

 新型コロナウィルスの感染拡大により、現在、幼稚園から大学まで全国ほとんどの学校で休学が続いている。緊急事態宣言が少なくとも6月初めまでは延長されることが確実になり、学業の遅れがますます深刻になっている。

 その中で、一部の学生や多くの知事から、入学を9月にすべきとの意見が表明され、補正予算を審議する国会においても野党がこれを取り上げて議論が行われた。

 安倍首相は「(9月入学が)国際社会の主流であるのも事実。前広に判断していきたい」と答弁し、萩生田文部科学大臣も「大きな選択肢の一つ」と強調した。

 この9月入学制度は、今回突然浮上したものではなく、2012年に東京大学が自らの措置としてこれを打ち出し、マスメディアで多少の議論はあったが、会計年度との乖離の不便さや、就職時期との調整の困難などの理由から、議論は高まらなかった。

 今回この問題が、真剣に議論され始めたのは、休校による学業の遅れが深刻であって、3月末までにそれを取り戻すことが相当困難なことが認識されたからである。その解決策として9月入学が提案されているわけであるが、誤解のないように先ず明らかにしておくと、9月というのは、今年ではなく、来年の9月のことである。

 このような大々的な制度改革の実施のためには、法律や省令、規則などの改正は勿論、国民一般への周知徹底、経済界との調整などに多くの時間が必要である。

 9月入学制度のメリット、ディメリットについては、他の多くのコラムで紹介されているので、本稿においてはそれは省き、この制度改革に賛成の立場から、その実施に当たっての問題点とその対処法について述べる。

拡大cdrw/Shutterstock.com

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筆者

登 誠一郎

登 誠一郎(のぼる・せいいちろう) 元内閣外政審議室長

兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、外務省入省(1965)、駐米公使(1990)、ロサンジェルス総領事(1994)、外務省中近東アフリカ局長(1996)、内閣外政審議室長(1998)、ジュネーブ軍縮大使(2000)、OECD大使(2002)を歴任後、2005年に退官。以後、インバウンド分野にて活動。日本政府観光局理事を経て、現在、日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長、安保政策研究会理事。外交問題および観光分野に関して、朝日新聞「私の視点」、毎日新聞「発言」その他複数のメディアに掲載された論評多数。

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