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専門家会議のコロナ報告書が示す驚きのデータと「5月7日以降」の合理的対策

データと事実から導き出される合理的な政策を合理的なプロセスで決定・実行せよ

米山隆一 前新潟県知事。弁護士・医学博士

発症日のピークは全国で4月1日、東京で3月30日

 報告書の中で最も注目すべきは、「発症日ベースでの流行曲線」と、3月19日以来発表がなかった、本来最も重要な指標である「実効再生産数(Re)の推移」が示されたことです。

 ここで「発症日」についての説明が必要でしょう。現在のPCR検査の運用では、今なお「4日間発熱ルール」等があり、発病したと思われる症状が出てから実際に陽性であると報告されるまでに平均8日間を要しています(参考)。つまり、現在我々が目にしている「新規感染者数」は「報告日」の数字であって、感染流行の時間的経過をより正確に分析するには、症例ごとにその臨床経過を確認して症状が出た「発症日」を確定する作業が必要なのです。

 この作業をへた「発症日」ベースで集計された流行曲線が、今回初めて示されたのですが、その結果は極めて驚くべきものでした。発症日ベースでは、新型コロナウィルス感染症の流行は全国では4月1日に、東京では3月30日に既にピークを迎えていたのです(平均潜伏期間は「5日」程度と言われており、「感染日」のピークはこの更に5日前の3月27日、3月25日であるであると考えられます)。

 これを裏付けるように、時刻tにおける再生産数であるRtは、全国、東京都ともに4月1日に、感染が収束に向かう境界値である1.0を下回っており、4月10日現在で全国0.7、東京都0.5となっているとのことです。

 このデータは、端的にいって「4月1日の時点で全国・東京都ともに感染はピークアウトし収束に向かっていたのであり、そもそも7日の緊急事態宣言は(少なくとも事後的には)必要なかった」ことを意味します。この事実は、私のような「報告日ベース」でデータを見ているものにも、4月8日の2週間後である4月22日には判明しており、私もその旨の論考を書いていますが(「緊急事態宣言をどうする? 新型コロナと5月7日以降の日本」)、それが公式に認められた形です。

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筆者

米山隆一

米山隆一(よねやま・りゅういち) 前新潟県知事。弁護士・医学博士

1967年生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学系研究科単位取得退学 (2003年医学博士)。独立行政法人放射線医学総合研究所勤務 、ハーバード大学附属マサチューセッツ総合病院研究員、 東京大学先端科学技術研究センター医療政策人材養成講座特任講師、最高裁判所司法修習生、医療法人社団太陽会理事長などを経て、2016年に新潟県知事選に当選。18年4月までつとめる。2012年から弁護士法人おおたか総合法律事務所代表弁護士。

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