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国民に自粛を強いる「8割削減」目標を根底から疑え!

西浦教授はなぜ、現実の数値とは言えない「8割削減」に固執したのか?

佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

 後世の歴史家の判断に委ねるため、この事実は記録しておかなければならない。そう私は判断した。

 今からほぼ1か月前の4月7日午後6時過ぎ、首相官邸で安倍首相が記者会見に臨んだ。蔓延しつつあるコロナウイルス対策のために緊急事態宣言を発令するためだ。その冒頭、安倍首相はこう発言した。

「最も重要なことは、国民の皆さんの行動を変容させることだ」
「専門家の試算では、私たち全員が努力を重ね、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減することができれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる」
「その効果を見極める期間を含め5月6日までの1か月に限定して7割から8割削減を目指し、外出自粛をお願いいたします」

 安倍首相の視線は、冒頭発言の3分の1から半分の時間、斜め前のプロンプターに釘付けになっていた。そこにはあらかじめ官僚が書いた発言の作文が表示されており、それを見なければ一貫した発言ができないからだ。

拡大記者会見で、プロンプターに視線を送る安倍晋三首相=2020年5月4日、首相官邸

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筆者

佐藤章

佐藤章(さとう・あきら) ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

ジャーナリスト学校主任研究員を最後に朝日新聞社を退職。朝日新聞社では、東京・大阪経済部、AERA編集部、週刊朝日編集部など。退職後、慶應義塾大学非常勤講師(ジャーナリズム専攻)、五月書房新社取締役・編集委員会委員長。著書に『ドキュメント金融破綻』(岩波書店)、『関西国際空港』(中公新書)、『ドストエフスキーの黙示録』(朝日新聞社)など多数。共著に『新聞と戦争』(朝日新聞社)、『圧倒的! リベラリズム宣言』(五月書房新社)など。

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