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安倍首相の「緊急事態」改憲論 耐えられぬその軽さ

パンデミックという危機に乗じて悲願の改憲を持ち出す政治への既視感~ドイツとの比較

豊 秀一 朝日新聞編集委員

Ⅱ ワイマール共和国の教訓から学ぶこと

 戦争や内乱、大規模な自然災害など平時には対処できないような事態に際し、国家の存立を守るため、国家権力が憲法の機能を一時停止して緊急の措置を取れるようにする権利を「国家緊急権」と呼ぶ。

 国会から立法の権限を奪い、政府に権力を集中させ、危機を乗り切る仕組みといえば想像しやすいかもしれない。

 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が出され、国民の生命・健康の保護の観点から私たちの自由や権利が大きく制限されているが、これはあくまで憲法(立憲主義)の枠内での運用だ。

 同じ「緊急事態」という言葉を使っても、憲法に緊急事態条項を書くというのは、憲法自身に立憲主義の例外である「国家緊急権」をビルトインすることを意味する。特措法とはまったく次元が異なる。

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筆者

豊 秀一

豊 秀一(ゆたか・しゅういち) 朝日新聞編集委員

1965年5月生まれ。1989年に朝日新聞社に入社し、青森、甲府両支局を経て、社会部で主に憲法・司法担当の取材を続けてきた。著書に「国民投票―憲法を変える?変えない?」(岩波ブックレット)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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