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日本の宿痾「あいまいな構造」を拡大、強化した政治・行政改革

神津里季生・山口二郎の往復書簡(2) あいまいな構造が日本を覆ったわけ

山口二郎 法政大学法学部教授(政治学)

 連合の神津里季生会長と法政大学の山口二郎教授の「往復書簡」。2回目はコロナ危機下であらわになる「政治の無残」を問題視する神津会長の書簡に対する山口教授の返信です。

拡大緊急事態宣言を出した後、記者会見する安倍晋三首相=2020年4月7日、首相官邸

神津里季生様

 お手紙有難うございます。新型コロナ危機に対して政府が見当違いの政策を繰り出す一方、不要不急の検察官の定年延長の立法を力ずくで進めようとするのを見ると、わが国の政治が底なしに劣化したことにため息をつくばかりです。

 政治改革を論じ始めておよそ30年、私にとっては人生の半分になろうとしています。政治、行政の制度を変え、野党側の再編成をして、その挙句がこの惨憺(さんたん)たる政治かと思うと、この間、何をしてきたのかと虚しさを覚えます。

 もちろん、嘆くだけでは愚かです。まず、なぜこのような無力な政治を作り出したのかを明らかにしなければ、次の改善もありえません。

あいまいな構造は日本の宿痾

 現在の日本を支配しているのは、中途半端であいまいな政策推進構造だという神津さんの指摘には同感です。私は一応政治学の研究者なので、このあいまいな構造がなぜ日本を覆っているのか、絵解きをしなければなりません。

 先の大戦中の「戦力の逐次投入」以来、あいまいな構造は我が国の宿痾(しゅくあ)と言われてきました。それを打破するために、30年前から政治、行政の改革を行ったはずです。その改革が実を結ばなかったという面もありますが、むしろ改革があいまいな構造を一層拡大、強化したという面もあるように思います。

 以下、悔恨を込めて改革の簡潔な総括をしたいと思います。

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筆者

山口二郎

山口二郎(やまぐち・じろう) 法政大学法学部教授(政治学)

1958年生まれ。東京大学法学部卒。北海道大学法学部教授を経て、法政大学法学部教授(政治学)。主な著書に「大蔵官僚支配の終焉」、「政治改革」、「ブレア時代のイギリス」、「政権交代とは何だったのか」、「若者のための政治マニュアル」など。

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