メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

中国の「コロナ外交」は夜郎自大~張倫 CYセルジー・パリ大学教授が語る母国の姿

自己陶酔で傲慢な外交が支援先への感謝要求や批判者への恫喝につながっている

吉岡桂子 朝日新聞編集委員

 新型コロナウイルスで多くの感染者を出している欧州に対して、中国政府は医療物資や医師団を送って積極的な「コロナ外交」を展開している。1989年6月の天安門事件後、北京からフランスに渡り、長年にわたって教壇に立つ張倫・CYセルジー・パリ大学教授(57)の目に、そんな母国の姿はどう映っているのだろう。30年間にわたる中国とヨーロッパの関係と今後について、メールと電話できいた。(編集委員・吉岡桂子)

拡大張倫・CYセルジー・パリ大学教授=2019年11月、フランス北部ベルサイユで(張氏提供)

張倫(Zhang Lun)チャン・ルン CYセルジー・パリ大学教授(現代中国)
1962年中国遼寧省生まれ。89年末からフランス在住。

見たことがないほど愚かな「コロナ外交」

――コロナ禍のなか、中国政府や企業はイタリアなど欧州を含む世界各国にマスクや人工呼吸器を送ったり医師を派遣したり、「コロナ外交」を繰り広げています。中国政府によれば、対象は4月時点で127カ国と4つの国際機関にものぼります。

 中国政府の外交は、ここ数十年で見たことがないほど、愚かだと思います。

――なぜですか?習近平国家主席の各国首脳への「電話外交」もマクロン大統領を皮切りに、50回を超えたそうです。

 中国から始まった感染の拡大が与える悪影響は、エリート層から庶民まですべての人の健康や生活に直接かかわる問題です。「感染源」として中国に対する心理的な反発が強まっているにもかかわらず、(支援に対する)感謝を強要し、批判には激しく攻撃する。自己中心的で夜郎自大です。

 腹に据えかねたフランスのルドリアン外相は4月、パリに駐在する中国大使を呼んで、中国大使館のホームページに書かれた文章に不満の意を表明しました。こんなことは私が渡仏してから初めてだと思う。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

吉岡桂子

吉岡桂子(よしおか・けいこ) 朝日新聞編集委員

1964年生まれ。1989年に朝日新聞に入社。上海、北京特派員などを経て、2017年6月からアジア総局(バンコク)駐在。毎週木曜日朝刊のザ・コラムの筆者の一人。中国や日中関係について、様々な視座からウォッチ。現場や対話を大事に、ときに道草もしながら、テーマを追いかけます。鉄道を筆頭に、乗り物が好き。バンコクに赴任する際も、北京~ハノイは鉄路で行きました。近著に『人民元の興亡 毛沢東・鄧小平・習近平が見た夢』(https://www.amazon.co.jp/dp/4093897719)

吉岡桂子の記事

もっと見る