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「37.5度以上が4日以上」の目安は国民の誤解だったと言い放った加藤厚労相の傲慢

PCR検査をなりふり構わず抑制して安倍政権が守りたかったもの

佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

「自費でいいから検査だけはやらせて」

 厚労省によれば、2017年度の国民医療費の負担割合は、被保険者や事業主の保険料が49.4%、患者本人の負担が11.6%、そして国や地方の公費、つまり税金からの財源が38.4%だ。検査費用が膨らめば税からの支出も増える。

 「患者さんは窓口で3割支払うでしょう。そうすると、残り7割は私たち開業医にとっては売掛債権になるんです。これが2か月後に入ってくるんだけど、認められないと言っていっぱい引いてくるんです。国はふだんからそのくらい厳しくやっているわけだから、PCR検査をたくさんやって医療費を増やしたくないでしょう」

 PCR検査が増えない原因については、私は3月17日の佐藤章ノート『安倍首相が語った「コロナのピークを遅らせる」と「五輪開催」の政策矛盾』で、東京オリンピック開催に配慮した安倍政権の深謀遠慮に加えて、国立感染症研究所の予算利権のことを記しておいた。

 青木医師は、長年クリニックを経営してきた経験から、感染研の予算利権のこともさることながら、むしろ医療費を増やしたくないという政府の考えがPCR検査拡充にブレーキをかけているのではないか、と実感している。

 「だから、医療関係者は健保の問題から外してほしい。医療者は自腹で払うので、健保の問題から外していただきたい。自費でいいから検査だけはやらせてほしい。私はそう考えています」

 このような思いを抱いているのは青木医師だけではないようだ。

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筆者

佐藤章

佐藤章(さとう・あきら) ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

ジャーナリスト学校主任研究員を最後に朝日新聞社を退職。朝日新聞社では、東京・大阪経済部、AERA編集部、週刊朝日編集部など。退職後、慶應義塾大学非常勤講師(ジャーナリズム専攻)、五月書房新社取締役・編集委員会委員長。最近著に『職業政治家 小沢一郎』(朝日新聞出版)。その他の著書に『ドキュメント金融破綻』(岩波書店)、『関西国際空港』(中公新書)、『ドストエフスキーの黙示録』(朝日新聞社)など多数。共著に『新聞と戦争』(朝日新聞社)、『圧倒的! リベラリズム宣言』(五月書房新社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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