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黒川検事長は「検事総長は断固固辞」の意思表明を!

もし黒川氏が検事総長に任命されたら、大騒動になるのは間違いない

登 誠一郎 元内閣外政審議室長

法案の最大問題点は特例定年延長の基準が示されていないこと

 今回の改正法案の一つの目的は、一般の検察官の定年を63歳から65歳に引き上げることであるが、これ自体は、基本的に他の公務員の場合と同じであり、これに対しては特に反対はない。

 最大の問題点は、政治家との接触の機会も多く、特に厳正中立、公平無私が必要とされる幹部検事(検事総長、次長検事、検事長)について、「職務の遂行上の特別の事情を勘案して、公務の運営上著しい支障が生じると内閣が認めるときは、その役職定年について3年までの延長を認める」(改正法22条6項)との規定である。

 この規定は公務員法上の特例定年延長に関する規定、即ち、宮内庁の雅楽奏者の様に名人的技能を有する者が、後継者が直ちに得られない場合にならって作成されたものであるが、幹部検事の場合はそれとは全く事情が異なる。

 日本の検察制度において従来から重視されてきたのは「検察官同一体の原則」即ち、検査官の誰もが同じ職務を遂行し、同じ結果を出す、従って代わりの利かない存在ではないことである。検察官によって起訴等の結果が異なってはいけないのであり、特例延長にはなじまないのである。

 野党は国会審議において、この特例延長の基準を示すよう要求し、その部分の削除を求めているが、政府は、その基準は現在は決まってなく、改正法の発効までにそれを示すと答弁するだけである。

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筆者

登 誠一郎

登 誠一郎(のぼる・せいいちろう) 元内閣外政審議室長

兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、外務省入省(1965)、駐米公使(1990)、ロサンジェルス総領事(1994)、外務省中近東アフリカ局長(1996)、内閣外政審議室長(1998)、ジュネーブ軍縮大使(2000)、OECD大使(2002)を歴任後、2005年に退官。以後、インバウンド分野にて活動。日本政府観光局理事を経て、現在、日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長、安保政策研究会理事。外交問題および観光分野に関して、朝日新聞「私の視点」、毎日新聞「発言」その他複数のメディアに掲載された論評多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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