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新型コロナ意識調査があぶり出した自粛を求める世論の構造と打撃の実態

トップは今こそ国民を安心させる前向きなメッセージを発せよ

三浦瑠麗 国際政治学者・山猫総合研究所代表

テレビを見る人ほど健康不安が増大

 客観的には、日本の新型コロナ被害は世界に類を見ないほど少ないのですが、コロナ対策に伴って経済や社会が被っている被害となると話は変わってきます。それは、政府も経済主体も世論を恐れて立ちすくんでいるからであり、国民が非常に強い健康不安に覆われてしまっているからです。

 本意識調査では、回答者の9割近くの人が、新型コロナウイルスに対して、自らの健康への懸念を抱えていると答えました(グラフ1)。くわえて、テレビを毎日視聴している人ほど、この健康不安は増大する傾向にあります(グラフ2)。新型コロナウイルスをめぐる政治やメディアの報道が危機感を煽り、国民の間に実態とはかけ離れたリスク感覚を根付かせてしまった様子がうかがえます。

拡大グラフ1

拡大グラフ2

経済活動を止めることへの同意は各世代に共通

 目を引くのは、新型コロナウイルスによる重症化のリスクは年代によって圧倒的に異なるにもかかわらず、年齢による不安の差は大きくないことです(グラフ3)。これは、人びとが抱える不安が科学的事実に基づくものではなく、それとは別の何かで植え付けられてしまった恐怖に基づく、ある種の心情的なものであることを示唆していると言えるでしょう。

拡大グラフ3

 感染拡大防止・自粛と経済のバランスについてきくと(グラフ4)、30代で経済重視がやや強くでるものの、基本的に拡大防止・自粛が多数で、世代間の差はあまり見られません。

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筆者

三浦瑠麗

三浦瑠麗(みうら・るり) 国際政治学者・山猫総合研究所代表

1980年神奈川県茅ケ崎市生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。専門は国際政治、比較政治。東京大学政策ビジョン研究センター講師などを経て現職。著書に『シビリアンの戦争―デモクラシーが攻撃的になるとき』(岩波書店)、『「トランプ時代」の新世界秩序』(潮新書)、『あなたに伝えたい政治の話』(文春新書)など。政治外交評論のブログ「山猫日記」を主宰。公式メールマガジン、三浦瑠麗の「自分で考えるための政治の話」をプレジデント社から発行中。共同通信「報道と読者」委員会第8期、9期委員、読売新聞読書委員。近著に『21世紀の戦争と平和 徴兵制はなぜ再び必要とされているのか』(新潮社)。

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