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コロナ対策で浮上した「9月入学」は「留学生の増加」につながるか

もっともに聞こえるが、壁は少なくないし、さまざまな制度変更も必要

鈴村裕輔 名城大学外国語学部准教授

海外からの留学生に「4月入学」への不満は少ない?

 昨年9月、所属先と交換留学生の派遣の協定を結んでいる大学が開催した「留学フェア」に参加するため、筆者はニューヨークにいた。

 「留学フェア」は1日のみの開催であったものの、留学を希望する学生、留学先の大学の詳細を知りたい学生が集まり、各国から参加した約30の大学や機関の説明を受けていた。

 筆者も自分が勤務する大学について、100人近い学部学生や大学院生に紹介したり、様々な質問に答えたりした。

 質問の中で最も多かったのは「学費はいくらか」であり、「奨学金はあるのか」、「学生寮はあるのか」、「留学生が履修できる授業はどのようなものか」といった問いが続いた。

 しかし、「日本の大学は毎年4月から始まるため、われわれの大学では毎年4月と9月に交換留学生の受け入れを行っている」という説明に対しては、参加者から不満や懸念の声はなかった。

 むしろ、「単位の互換や読み替えが出来るなら、学年の最後の3、4カ月、日本に留学して、帰国後に進級することができる」といった、「4月入学」を前向きにとらえる意見が寄せられたものだ。

 もちろん、こうした意見は一つの大学の100人程度という母集団から得られたものでしかない。また交換留学を前提としているため、私費留学を含めた留学全般に対する考えでもない。そのため、これらの学生の声を一般化することは慎む必要がある。

 ただ、それでも、「9月入学」と「海外からの留学生の増加」という項目の間には、必ずしも密接な結びつきはない可能性が推察されないか。

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筆者

鈴村裕輔

鈴村裕輔(すずむら・ゆうすけ) 名城大学外国語学部准教授

1976年、東京生まれ。名城大学外国語学部准教授、法政大学国際日本学研究所客員所員。法政大学大学院国際日本学インスティテュート政治学研究科政治学専攻博士課程修了・博士(学術)。専門は比較文化。主著に『メジャーリーガーが使いきれないほどの給料をもらえるのはなぜか?』(アスペクト 2008年)、『MLBが付けた日本人選手の値段』(講談社 2005年)がある。日刊ゲンダイで「メジャーリーグ通信」、大修館書店発行『体育科教育』で「スポーツの今を知るために」を連載中。野球文化學會会長、アメリカ野球愛好会副代表、アメリカ野球学会会員。

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