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自然の中にいるヒトとウイルス

ウイルスが我々に問いかけているもの(4) 資本主義の在り方

花田吉隆 元防衛大学校教授

ゆがんだ企業行動は本来の資本主義の在り方か?

 近年、企業行動のゆがみが指摘される。経営者が株主のほうばかり見る。その結果、ROE(自己資本利益率)が重視され、これが高いことが利益を上げていることだという。株価が重要で、株価上昇のためには、自社株買いも辞さない。しかし、自社株買いとは、必要資金を設備投資に回さず株価上昇に使うということだ。企業の将来体力は低下していかざるを得ない。近年のレバレッジ経営も問題で、企業が借り入れを増やすことにより、自己資本比率が低下、企業の資本が薄くなり、コロナのような予想しない困難に直面した時、もはやこれを乗り切る体力すら残ってない。こういう企業行動は本来の資本主義の在り方か。資本主義は本来どうあるべきなのか。

 ESGはその問いに対する一つの答えだ(拙稿「資本主義と環境の危機は克服できるか」参照)。資本主義は、効率や利潤だけを追い求めてはならない。シェアホルダー(株主)の利益だけでなく、全てのステイクホルダー(利害関係者)の利益を最大にすることを考えなければならない。ESG、すなわち、E(環境)、S(社会)、G(企業統治)への目配りが重要だ。

 背景に、

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筆者

花田吉隆

花田吉隆(はなだ・よしたか) 元防衛大学校教授

1953年生まれ。在スイス大使館公使、在フランクフルト総領事、在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授等を経て、現在、早稲田大学非常勤講師。著書に「東ティモールの成功と国造りの課題」(創成社)「スイスが問う明日の日本」(刀水書房)等。

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