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その場しのぎの緊急事態宣言解除~社会を掴む握力を失った政治

神津里季生・山口二郎の往復書簡(3)将来展望を切り拓く政治は望めないのか

神津里季生 連合会長

かりそめの落ち着きの背後に漂う不安

 コロナ自粛にうんざりしている世の中の雰囲気に合わせるように、緊急事態宣言が解除されました。一区切りつけたいという人々の思いが強いことは事実であり、それに対してそれなりの答えが出されたようにも見えます。

 しかし、これまでの「その場しのぎ」の繰り返しによって、本質的な問題が置き去りになっていることを見過ごしてはならないと思います。「なんとなく落ち着いた」などというムードができあがってしまうと、命の危険、生活の苦境、経済の没落といった負の連鎖は未解決のまま、本当の意味での出口を見失ってしまうことになると思うのです。人々の心の底に漂っている不安はまだ全く解消されていません。

夢をあきらめるしかなかったのか

 甲子園の夏の大会の中止が決定されました。夢を追い続けてきた球児たちに対しての最終宣告でした。3年生にとってはこれで終わりです。国体は既に中止が決定されていましたから、予定通りという結論を出すには難しい状況だったかもしれませんが、実際に球児たちの落胆の表情を見たときに、私自身は打ちのめされる思いでした。

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筆者

神津里季生

神津里季生(こうづ・りきお) 連合会長

1956年東京都生まれ。東京大学教養学部卒。在学時は野球部マネジャー。79年、新日本製鐵に入社。84年に本社労働組合執行委員となり、専従役員の活動を始める。外務省と民間の人事交流で90年より3年間、在タイ日本大使館に勤務。その後、新日鐡労連会長、基幹労連中央執行委員長などを経て、2013年に連合会事務局長に就任、15年より同会長。近著に「神津式労働問題のレッスン」。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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