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南スーダン野球団を市民にお披露目。思わず目頭が熱く……

野球人、アフリカをゆく(29)準備は整い選手の技量も上がった、いよいよその時が

友成晋也 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

NUDのプレイベントで野球紹介が実現

 年が明け、2020年1月。いよいよ4年に一度のオリンピックイヤー、それも東京オリンピック開催の年がやってきた。2008年の北京オリンピックを最後にオリンピック競技から外れた野球とソフトボールが、東京オリンピックで12年ぶりに復活する。このモメンタムに乗じて、野球とソフトボールの海外普及への関心を高めたい。J-ABSの本格稼働の1年にしなければならない。

 そんな思いを胸に、まだ松の内の間に、酷暑の南スーダンに戻ると、職場の若手スタッフ、愛称ダイスこと金森大輔がプログラム表を手に平日執務している私の部屋に入ってきた。

 「友成さん、NUDのプレイベントで野球紹介をやってもらう件、ジュバ市内のグデレ地区でやることになりました! 1月19日です」

 「おお、そうか!よし、ピーターに伝えておくよ」

 NUD(National Unity Day;国民結束の日)については、第19話で説明したが、国民スポーツ大会(日本でいう国体)のことだ。多様な民族同士の紛争の歴史が長いこの国の民族融和をスポーツで実現しようとするものだが、全国から集まる選手たちだけでなく、多くの市民に関心を持ってもらい、平和の果実を感じてもらうことが重要だ。

 そのため、大会が始まる前にNUDプレイベントと銘打ち、歌や踊り、お笑いなどを中心コンテンツにしたプログラムを、ジュバ市内の人が集まる広場を使って開催する。スポーツがメインテーマであるため、ドッジボールに似た女性向けの南スーダンオリジナルスポーツ「ボルボル」の試合を行ったりするのだが、今年は野球を入れてみよう、ということになったのである。

 これは南スーダン野球を初めて市民の前で紹介するという歴史的な機会だ。

南スーダン野球、お披露目の時

 南スーダン野球団は、普段は高い壁に囲まれたジュバ大学のグラウンドを使わせてもらって練習しているので、市民の目にとまることはない。またセキュリティ上の問題から、これまであえてメディア取材なども避けてきた。

 しかし、今や南スーダン野球連盟も立ち上がり、ピーターやウィリアムといった意欲に溢(あふ)れるコーチもいる。なによりも選手たちの技術が上がってきた。いよいよお披露目の時だ。

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筆者

友成晋也

友成晋也(ともなり・しんや) 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

中学、高校、大学と野球一筋。慶應義塾大学卒業後、リクルートコスモス社勤務を経てJICA(独立行政法人国際協力機構)に転職。1996年からのJICAガーナ事務所在勤時代に、仕事の傍らガーナ野球代表チーム監督に就任し、オリンピックを目指す。帰国後、2003年にNPO法人アフリカ野球友の会を立ち上げ、以来17年にわたり野球を通じた国際交流、協力をアフリカ8カ国で展開。2014年には、タンザニアで二度目の代表監督に就任。2018年からJICA南スーダン事務所に勤務の傍ら、青少年野球チームを立ち上げ、指導を行っている。著書に『アフリカと白球』(文芸社)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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