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共産主義が倒したはずのナチズム 統一ドイツの行方は 続・旧東独出身者との対話

【14】ナショナリズム ドイツとは何か/ベルリン⑤ 現代史凝縮の地

藤田直央 朝日新聞編集委員(日本政治、外交、安全保障)

拡大旧東ドイツの頃と再統一後について話すベアーテ・ヴォンデさん=2月、ベルリンの森鷗外記念館。藤田撮影

 ベルリン市街を縫うローカル線が黄昏の高架を行く。線路の軋みが二階の窓越しに響いてくる。

 かつての森鷗外の下宿にあるフンボルト大学の森鷗外記念館を2月14日に訪ね、日独の文化交流を支えてきた副館長のベアーテ・ヴォンデさん(65)の話を、前回に続き紹介する。冷戦が始まって間もない1954年、東ドイツのポーランド国境の街に生まれてからの半生だ。

拡大森鷗外がベルリン留学中に下宿で使っていた机=2月、ベルリンの森鷗外記念館。藤田撮影

 戦後の西ドイツでは、ナチス時代の直視を避ける親と、向き合おうとする子の世代間の葛藤があった。東ドイツでも形は違えど、ナチズムからドイツを解放した共産主義という史観の下に教育を受けたヴォンデさんと、ドイツ軍兵士だった父の間に確執があった。

 それをヴォンデさんが俯瞰(ふかん)できているのは現在の話だ。1973年に東ベルリン側にあったフンボルト大学に進んだ頃は、建国第一世代の私たちが東ドイツを導くのだ、という思いにあふれていた。

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筆者

藤田直央

藤田直央(ふじた・なおたか) 朝日新聞編集委員(日本政治、外交、安全保障)

1972年生まれ。京都大学法学部卒。朝日新聞で主に政治部に所属。米ハーバード大学客員研究員、那覇総局員、外交・防衛担当キャップなどを経て2019年から現職。著書に北朝鮮問題での『エスカレーション』(岩波書店)

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