[191]森雅子法相会見、前川喜平氏、『封鎖都市・武漢』……
2020年06月09日
5月20日(水) いろいろな困難なことが同時多発的に一気に起きてくると、ゆっくりと整理しながらボチボチやっていくしかないな、と一種の悟りに近い感情に支配される。
あした発売の「週刊文春」に黒川弘務東京高検検事長の件で超ド級のスキャンダルが報じられるとの情報。午前11時過ぎに知る。ゲラを入手してぶっ飛んだ。黒川検事長が新聞記者らと賭け麻雀! しかも相手は産経の記者と朝日の元記者。しかも自粛要請期間中に産経記者の自宅マンションで。写真もばっちりと撮られ、文春は黒川氏本人にあてている。5月17日の朝に、だ。こりゃあ完全にアウトだ。黒川氏の辞任は免れない。それにしても、なぜこんなことが。事実は小説より奇なり。頭が混乱してくる。
14時からFCCJ=日本外国特派員協会で東大先端研の児玉龍彦氏のブリーフィング。頭が半分ここにあらずの状態でZoomを使っての会見参加。英語で一生懸命話している児玉氏には敬意を表するしかない。英語はうまいにこしたことはないが、それ以前に相手とコミュニケートしようとする意思が大切なのだ。美辞麗句を棒読みすることでは何も伝わらない。
これまで継続取材してきた件で、何があったのかわけがわからないことが突然起きて困惑する。一体何があったのだろうか。
イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンの新型コロナウイルス禍での最初の主張の骨子なるものを知る。相当な反響があったらしい。アガンベンは見当はずれのことを主張しているというネガティブな反応のようだ。
FCCJが、東京オリンピックのロゴをウイルス禍に絡めてパロディ化したイラストをFCCJの機関誌のようなペーパーに載せたところ、抗議が来たとかで謝罪するらしい。その件で、あしたFCCJの記者会見があるという。会員の間には、謝罪に反対の意見も相当にあるようだが、執行部の独断で決めたとかいう見方もある。どこもかしこも同じような問題を抱えているのだな、と実感する。東京の美々卯が全店閉店とか。
5月21日(木) 早朝、黒川検事長が辞任の意向を固めたとの一報に接する。朝日や読売も一面で報じている。NHKも午前7時半前に速報を打った。さっそく取材の準備に取りかかる。松尾邦弘元検事総長に打診。電話で話すと「とにかくびっくりした。このタイミングでこういう身の処し方をされていたのか。言葉を失った。残念だ」と。コロナウイルス自粛のさなかでの隠密賭けマージャンにびっくりしていたようだ。
黒川氏本人は今日は自宅から出ないと言っているとの情報もあったが、夕方、車が来て外へ出た。こんな状況では法務省・検察庁も聴取などのアクションを起こさざるを得ないだろうに。もっとも聴取はもう済んでいるのかもしれないが。
夕方、森雅子法務大臣が官邸に報告に向かうとのことで慌てて官邸へと向かう。午後4時43分、官邸ロビーに到着すると、記者たちが多数。ほとんど「3蜜」に近い状態。ざっと数えると60人以上はいるな。スタンドマイクがロビーに置かれ、そこから3メートルくらい離れるようにとの印で床にテープが貼られている。そうこうするうちに黒川検事長が自宅を車で出たとの情報。
最前列にいた幹事社の記者が2問ほど質問をして、その後に何とか質問をしようとしたが、なかなか割り込めない。黒川検事長の定年延長についてはあくまでも「適切なプロセスだった」と。ええっ?
どんどん若い記者たちに質問の先を越される。これは一種の反射神経を競うスポーツみたいなものだ。だが、
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