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小川淳也×岡田憲治~なぜ野党はひとつになれないのか

立憲民主党は「枝野私党」を卒業し、消費税5%をのみ込み、政権の受け皿をつくれ

三輪さち子 朝日新聞記者

消費税に固執し「受け皿」をつくる大義をおろそかにしてよいのか

 対談した6月18日は、東京都知事選の告示日。現職の小池百合子知事に対し、元日弁連会長の宇都宮健児氏や、れいわ新選組の山本太郎代表らが立候補した。立憲民主党は、消費税率5%への引き下げを強く主張する山本氏と折り合えず、宇都宮氏の支援を決めた。野党候補の一本化は失敗に終わった。山本氏が立候補を表明した6月15日、小川氏は自身のツイッターで「何とか野党候補を一本化できないか」と投稿。翌日、謝罪した。

拡大オンライン対談した小川淳也衆院議員(中央)と岡田憲治教授(右上)。左上は三輪さち子記者

小川淳也 反射的にツイッターに投稿したことは申し訳なかったと思っています。前回の2016年、宇都宮さんが(都知事選で野党統一候補として立候補した)鳥越俊太郎さんに譲ったこと。今回、山本さんと宇都宮さんとで話し合ったこと。こうしたことへの敬意が足りませんでした。

 しかし、分裂した状態で勝つのは簡単ではありません。今も一本化すべきだったという気持ちは変わらない。今回、特に立憲民主党が主導権を持てなかったことに対する批判は大きかったと思います。

三輪さち子(朝日新聞政治部記者・筆者) 消費税5%の衆院選公約で合意できなかったことが立憲民主党と山本氏が決裂した原因だったのですか。

小川 新型コロナ感染症でダメージをうけたこの窮状を見ると、国民が嫌なのは、税金をとられることじゃない。税金を安心して預けられない政治が嫌なんだと思います。

岡田憲治 そうです。

小川 とはいえ、安心できる社会にはなっていません。国民には被害者感情があり、山本太郎さんの主張はそういう人たちにヒットしています。立憲民主党も、一部の野党も、10%への消費増税を決めた税・社会保障一体改革を作った民主党系ではある。しかし、せめて5%ぐらいは譲り、共闘重視で懐の深いところを見せるべきです。まずはこの窮状に対するおわびをすべきだと思います。

三輪 早ければ今年の秋、遅くても来年の秋までには実施される次の衆院選に向けて、野党はまとまれるのでしょうか。

小川 立憲民主党の執行部には、私も何度か説得をしました。将来的には、消費税をお願いするだけの信頼ある政府を作りたいし、安心できる社会を作り上げたい。でも、それは切り離し、当面の政治的対応としては、消費税率5%程度の話なら、早期に妥結して一本化の旗を振るべきじゃないか。執行部には何度も説得しています。でも、なかなか硬い。

岡田 執行部が受け入れない最大の理由は何ですか。

小川 消費増税にこだわった野田佳彦さん(元首相)の存在も一部あるかもしれません。枝野幸男さん(立憲民主党代表)と山本さんとの間の個人的な権力闘争、どっちがお株を奪うのか奪わないのかというような私闘もあるかと思います。

 ただ、間違いないのは、国民にとって受け皿がないと、今の安倍内閣のような政治がいつまでも続くということです。あえて言い切るなら、消費税が5%か10%かというのは些末な話です。これにとらわれて政権与党に代わる受け皿をつくるという大義をおろそかにして良いのでしょうか。

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筆者

三輪さち子

三輪さち子(みわ・さちこ) 朝日新聞記者

2006年、朝日新聞社に入る。横浜、徳島総局を経て2011年から政治部。民主党政権では事業仕分け、自民党政権では自民党幹事長番、防衛省などを担当。2017年から世論調査部。オピニオン編集部を兼務。関心のあるテーマは虐待・貧困などの「子どもをめぐる問題と政治」。趣味はカバン作り。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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