メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

Do The Right Thing

[193]香港活動家の会見、町山智浩さん、バー『カデンツァ』……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

6月3日(水) 朝、プールへ行き泳ぐ。やっぱり泳ぐと心身ともに調子がよくなる。ストレス解消効果も実感。よく今日まで70日以上も我慢できたものだと思う。「例外状態」(アガンベン)の常態化に何も感じなくなることの怖さ。

 13時からIとランチ。黒川弘務前東京高検検事長の件。市民団体からの賭博罪での刑事告発が出ているが、今のままでは不起訴の公算が大きいという。その理由を聞いて驚いたのだが、法務省の川原隆司刑事局長が国会での答弁で「賭博罪には当たらない」という趣旨の答弁をしてしまったので、その答弁との「整合性」を検察が考えているのだという。産経新聞社内で「犯人捜し」が壮絶なことになっているとのこと。ディテールが生々しくて「犯人視」された人物が気の毒になるほど。

 16時から日本外国特派員協会FCCJのZoomを使った記者会見。香港の人権活動家、周庭さんや黄之鋒さん、元立法会議員・區諾軒さんの3人が参加した。あしたが天安門事件の31周年の記念日だ。国家安全法制の導入決定によって、1国2制度が実質的に潰えて、香港の自治的な政治存立基盤が危機に瀕しているなかでの緊急記者会見である。

香港で民主化運動をおこなう黄之鋒さん(左)、周庭さん(中央)、區諾軒さん=2020年6月3日日、日本外国特派員協会のZoom会見拡大香港で民主化運動をおこなう黄之鋒さん(左)、周庭さん(中央)、區諾軒さんのZoom会見=2020年6月3日、日本外国特派員協会のサイトより

 せっかくの機会なので、渡米してアメリカの議会で演説した経験がある黄之鋒さんに、今アメリカで起きているBLM(ブラック・ライブズ・マター)=人種差別反対の大規模抗議行動との連帯の可能性について質問してみた。

 その件で、アメリカでは、トランプ大統領がホワイトハウス前の抗議者を催涙弾などで排除させて、近くの教会まで歩いていくというパフォーマンスをやらかした。アメリカと香港で同時並行的に起きていることは、日本人にとって遠い世界のことでいいのか。

6月4日(木) 今日も朝、プールへ行って泳ぐ。いつもより短めだが、それでも泳がないよりは全然気分が違う。中国新聞が一面トップで、河井克行前法相を国会閉会後に立件。案里氏も、と報じる。雑誌「Journalism」の原稿を書き上げてメールする。新型コロナウイルス報道を概括的に書いたので、ちょっと長めになった。

 BBCのHPの映像で、カナダのトルドー首相が記者会見で、記者からトランプ大統領のBLMへの姿勢についてコメントを求められて、20秒以上沈黙した後に、カナダの人種差別的な政策について自己批判する内容を喋り始めたのには驚いた。トルドー首相はこれまでの政治家とは明らかに違う資質を持っている。そういう人物を首相に選んだカナダが羨ましい。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

金平茂紀の記事

もっと見る