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COVID-19パンデミックでも守られるべき妊娠と人権

ナタリア・カネム 国連事務次長 兼 国連人口基金(UNFPA)事務局長

各国政府やパートナーの対応が必要

拡大COVID-19パンデミックの最中でも妊娠は止まらない

 この任務は私たち単独では実現出来ない。UNFPAは、各国政府やパートナーに対し、特に人道危機下において、女性と少女の性と生殖に関する健康を優先し、そのニーズに緊急に対応することを求めている。

 2030年までに持続可能な開発目標を達成するための「行動の10年」の最初の年である今年、COVID-19によってジェンダーの不平等をさらに悪化させてはならない。人道危機下の人々を支援することは、正しい行動であるだけでなく、賢明な行動だ。この対応に誤れば、結果として、数え切れないほどの命が失われ、脆弱国や紛争国ではCOVID-19が再燃する可能性がある。

 パンデミックの間も妊娠は止まらない。出産も同じだ。そして、人権も。

 「世界人口デー」の今日は、すべての人の性と生殖に関する健康と権利を保障するという人類全体の決意を再確認し、行動する時だ。


筆者

ナタリア・カネム

ナタリア・カネム 国連事務次長 兼 国連人口基金(UNFPA)事務局長

コロンビア大学とジョンズ・ホプキンス大学の医学部と公衆衛生大学院で研究者としてキャリアをスタートし30年以上、医学、公衆衛生及び性と生殖に関する健康、社会正義、社会奉仕事業分野において指導的立場で活動。1992年から2005年 にかけてフォード財団に勤務、西アフリカ代表として女性の性と生殖に関する健康やセクシュアリティ分野における先駆者として尽力。その後、アフリカ、アジア、東ヨーロッパ、南北アメリカで世界平和と社会正義を促進するプログラムを総括する副代表をつとめる。2014年から16年までUNFPAのタンザニア代表を務め、16年7月にプログラム担当の事務局次長に就任。17年10月3日から現職。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです