メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

「保革」「左右」を超えた野党再編の対立軸は何か/上

近代日本を貫く「大日本主義」と「小日本主義」

田中信一郎 千葉商科大学基盤教育機構准教授

「大日本主義」の祖・徳川斉昭と「小日本主義」の祖・松平忠固

 明治維新とその後の藩閥政府を担った長州藩士・薩摩藩士らの政治思想のルーツは、徳川斉昭の水戸学にある。水戸学とは、いわゆる尊王攘夷思想のことで「吉田松陰らを通して明治政府の指導者たちに受け継がれ、天皇制国家のもとでの教育政策や、その国家秩序を支える理念としての「国体」観念などのうえにも大きな影響を及ぼしてい」った思想である(注1)

 維新の元勲・藩閥政治家らに強い思想的な影響を与えた吉田松陰は、水戸学に傾倒し、自らの思想を形成した。日本を特別視する精神主義的な観念論である(注2)

 吉田松陰は、対外的な侵略を唱えた主でもある。吉田松陰が師の佐久間象山に送った手紙「幽囚録」には次の一節がある(注3)

蝦夷(えぞ)を開墾して諸侯を封建し、間(すき)に乗じて加摸察加(カムサッカ)、隩都加(オロッコ)を奪ひ、琉球に諭し、朝覲会同(ちょうきんかいどう)すること内(うち)諸侯と比(ひと)しからしめ、朝鮮を責めて質を納(い)れ貢(みつぎ)を奉ること古の盛時の如くならしめ、北は満州の地を割き、南は台湾、呂宋(ルソン)の諸島を収め、漸に進取の勢を示すべし。

拡大吉田松陰
 これは、まさに後年の大日本帝国の
・・・ログインして読む
(残り:約4780文字/本文:約6738文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

田中信一郎

田中信一郎(たなか・しんいちろう) 千葉商科大学基盤教育機構准教授

博士(政治学)。国会議員政策担当秘書、明治大学政治経済学部専任助手、横浜市地球温暖化対策事業本部政策調査役、内閣府行政刷新会議事務局上席政策調査員、内閣官房国家戦略室上席政策調査員、長野県企画振興部総合政策課・環境部環境エネルギー課企画幹、自然エネルギー財団特任研究員等を経て、現在に至る。著書に『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない』『信州はエネルギーシフトする』、共著に『国民のためのエネルギー原論』『再生可能エネルギー開発・運用にかかわる法規と実務ハンドブック』などがある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

田中信一郎の記事

もっと見る