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私はこうして北京へたどり着いた~超緊張の「隔離21日間」

熱が上がらないだろうか、風邪にかからないだろうか……

キム・キヨン 東亜日報北京特派員

「中国に入ってくる外国人ほとんどいない」

 「あなたがこのホテルに泊まっている唯一の外国人です」

 中国に入国した5月29日、中国・遼寧省瀋陽市にあるハイアットブティックホテルを訪れた。海外から中国に入ってきた人々を14日間集中隔離する場所だ。

 隔離者の健康状態を点検するチャン・ハイボ(張海波)さんは「隔離者の大部分が海外から帰ってくる中国人だ。外国人はほとんどいない」と語った。

 このホテルは人口830万人の大都市である瀋陽の中心にある。26階の建物、二棟の大部分が客室だ。小さい規模のホテルではないのに外国人がたった1人だけとは……。そして海外で遭遇したコロナ19の余波は予想よりさらに深刻であった。

 中国政府はコロナ19発生初期から外国人の入国を徹底的に防いだ。一部特殊な職種を除いてビザ発給を完全に停止した。海外都市と北京を連結する直航便の路線も全面閉鎖した。

 やっとビザを発給してもらっても、北京に行くなら周辺都市である瀋陽や青島などでいったん降り、14日間隔離を経なければならない。以後問題がないという確認を受けてから北京に入ることができる。

 このように苦労して北京に入ってからも、再び7日間の追加隔離を行わなければならない。隔離期間だけで合計21日間だ。

 ホテルでの隔離にかかる費用は全て自己負担である。費用はそれぞれ異なっている。

 瀋陽ハイアットブティックホテルでは14日間の隔離に約7000中国元(約120万ウォン:約11万円)であった。ホテルを選ぶ選択権は無い。ホテルの水準が千差万別である中、どこへ行くことになるかは「福不福」だ。14日間の隔離で60万ウォン(約5万4千円)の水準のホテルもある。

 ホテルの割り当ては「列」により決定された。瀋陽空港で荷物を取ってから外に出て行く時、中国の公安が一列に並ばせる。列の順番通りに20名ずつ名簿を作成した後、バスに乗せた。このバスがそのままホテルへ向かった。列の人たちが少し横にズレただけで、公安は並んだ通りにバスに乗れと大声を出した。作成した名簿とバスの搭乗者が違ってはいけないのだろう。

 ホテルではチェックインと同時に隔離費用を一括払いで出せと要求された。クレジットカードは不可、現金だけが可能だった。非常用のお金まで全部はたいて宿泊費を払うと、やっと部屋を割り当てられた。紙幣を数える時は紙幣計数器まで登場した。

拡大〈1〉隔離6日目。 隔離者たちが隔離後初めて部屋の外に出て血液検査を受けている。〈2〉隔離期間中に毎日二回、自ら体温を測定して報告した。 〈3〉ウィチャットを利用した体温報告。

ウィチャット・QRコードで「パワフル大統制」

 中国はウィチャットとQRコードでコロナ19防疫をきめこまかく行っていた。それは外国人に対しても同じだった。ウィチャットが無ければ事実上中国に入国できない。瀋陽空港に到着した時に初めて聞いた言葉も「ウィチャットはあるか?」だった。

 空港から隔離ホテルに入る時までの間、もらったQRコードは全部で6つ。瀋陽市当局に健康状態を報告するQRコード、そして同じ飛行機で入国した125人全員をウィチャットの団体チャットルームに招待するQRコードもあった。

 一日二回、体温を測定し報告する時も、ウィチャットでQRコードをスキャンして案内手続きに従えばよい。隔離が終わってからもらえる「緑色通行証」も同じだ。このように効率的統制が行われている限り政府の権限は日増しに力を増していく。

 隔離期間の間、最大の関心事は体温であった。毎日午前8~9時、午後5~6時、自ら二度測定し午後6時までに報告しなければならなかった。

 脇に挟んで測定する水銀体温計が部屋ごとに置かれていた。案内文には「体温を事実通りに報告すれば何の責任も問わない」と書かれていた。しかし、0.1度だけ上がっても不安は募った。体温計に刻まれた数字に「37」だけが唯一赤色である点も心配を掻き立てた。一度は37度が出たことがあったが、正常範囲なのにも関わらず、二度三度測定しなおし、36.9度で報告したこともあった。

 隔離期間の間、二度の検査(血液・核酸)が行われたが、検査1、2日前になると、さらに体温が気になった。朝、目が覚めるや否や唾を一度ごくっと飲み込んでみて、喉が少しでも痛ければ韓国から持って来たビタミン剤を飲んだ。額に手を乗せてみるのがクセになったし、歯磨きも1日に5、6回した。風邪を引くかと心配し、部屋が暑くてもエアコンはつけなかった。

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