[194]日隅一雄情報流通促進基金賞、『こころの時代』、河井案里元秘書判決……
2020年07月14日
6月10日(水) 朝、プールへ行き泳ぐ。いつもの半分くらい。心身が少しでも調子よくなれれば、それでいいのだ。朝日新聞の一面に例の『武漢日記』の著者(作家の女性)に対して非難の声が中国国内であがっているという記事。
バー「カデンツァ」のママの件でTBS内の3人にその旨伝える。身の処し方に関して、くだらない手続きで忙殺される。
アメリカ全土で、白人警官に圧殺されたジョージ・フロイド氏の葬儀の模様が主要テレビで生中継されたとのこと。BLM(ブラック・ライブズ・マター)は大々的な第二の公民権運動的なうねりへと発展しつつあるように思う。
人事異動の季節で、このテレビ局内がそわそわしていて落ち着かないようにみえる。♫サラリーマン 心の傷 3つ4つ あてもなく さまようだけ♫(忌野清志郎『サラリーマン』)
6月11日(木) ゆえあって本郷の東大に行ったら、ここも原則立ち入りが禁止されていて、大学にはほとんど人がいなかった。こんなんでどうやって学問研究が維持されているのだろうか。例外状態が常態化する異常。ただ入り口は身分証明を提示すれば正門、赤門ともに中に入れた。
「3密」の英語訳が「3C」であることをJapanTimesを読んでお勉強する。Closed spaces; Crowded places; Close-contact setting in which people are talking face to face.
人種差別とは何かを考える「エリオット先生の授業」という古い動画があって、これがネット上で大変な数でいま視聴・共有されている。本当にすばらしい授業だ。
4月から始めたWEBラジオの「Cats Howling=ネコタチノトオボエ」の第2弾のゲストが決定。作家の島田雅彦さん。よかった。僕は島田さんの小説のファンだ。一番好きな作品は『退廃姉妹』。収録が楽しみだ。
6月12日(金) 朝、プールに行き泳ぐ。調子に乗っていつもより長めに泳いだ。17時から「日隅一雄情報流通促進基金賞」の表彰式。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、何と今年はオンライン開催。毎年、日比谷の図書館の地下ホールで行われてきた表彰式は、この種の表彰式では非常に中身が濃くて、楽しみにしていたのでちょっと残念だった。とりわけ今年の受賞者は、皆さん素晴らしい仕事ぶりで、特に大賞を受賞した吉田千亜さんのルポルタージュ『孤塁――双葉郡消防士たちの3.11』は、僕自身も随分と心を動かされた作品だった。福島県双葉郡の消防士たちの<3・11>を克明に綴ったこの本(岩波書店刊)を読んでずいぶんと力をもらった。
オンライン授賞式をPCで眺めていて、それぞれの受賞者の言葉に想像力を刺激される。TUF(テレビユー福島)の木田修作さん。TBSを退社して福島に移り住んで現場で取材し続ける覚悟を聞いた。『プリズン・サークル』監督の坂上香さんが、NHKのETV特集制作時に経験した機微に触れた発言にも、さまざまなことを考えさせられた。
月曜日の早稲田のゼミ「コロナの時代のジャーナリズム」6回目は、ナオミ・クラインの著作の翻訳者・幾島幸子さんにゲスト・スピーカーとして参加いただくことになっている。その準備を若干。Zoomは便利だが、しょせんはリアルの代替品だという古い考えが僕にはまだ残っている。ダメだな、と自覚しているが、こればかりはどうしようもない。
6月13日(土) 先日見逃したNHK・Eテレの『こころの時代~宗教・人生~「緊急事態宣言の日々に」』の再放送を家人に録画しておいてもらう。ちゃんと見よう。
「報道特集」のオンエア。前半が、横田滋さん死去をめぐって。後半が富山のチューリップテレビ制作の「朝鮮女子挺身隊」の企画。奇しくも、朝鮮半島をめぐって、僕らの国の被害側の立場のストーリーと、加害側の立場のストーリーが同じ日の特集で続いて放送されることになった。
富山の地元の不二越という企業を舞台とした朝鮮からの女子労働者の過酷な実態を「地元の人間として知らなかった」とオンエアの中できちんと言い切る勇気に、思わず膝を打った。砂沢さんは富山からの中継出演。
今日は、番組冒頭の挨拶で迷った。何を言うべきかで。2つの案で最後まで絞り切れずにスタジオに入った。
<A案:コロナで困っている中小企業などを助ける持続化給付金。その支給業務を委託された「ナントカ協議会」なる団体が「実体がないのでは」との批判を受けて、事務所を報道陣に公開しました。その時は5人の職員がいましたが、翌日、抜き打ちで訪ねてみたら事務所はもぬけのカラでした。こんなひどいことが起きているのに、国会を閉じていいのでしょうか。
B案
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