[195]衆議院議員宿舎、安倍首相会見、沖縄「慰霊の日」式典……
2020年07月17日
6月17日(水) 朝、プールへ行き泳ぐ。いつもより短め。神保町の東京堂へと向かう。ここは自粛期間中も何とか開けていた本屋さんだ。今では東京で一番好きな本屋さんだ。その後、長年ひそかに贔屓にしているカレー店「カーマ」で久しぶりにカレーを食べる。近くをぶらぶら歩いていたら、すずらん通りの「キッチン南海」が近く閉店するというので、店の前にすごい行列ができていた。
神保町の某所で打ち合わせのあと、毎日新聞のコラムの原稿。河井夫妻逮捕だからといって、検察を正義の守護神のように持ち上げるな、と。持続化給付金の「中抜き」の方も同じくらい質(たち)が悪いぞ、と。麻生財務大臣が、日本は「民度」が高いからコロナ禍の死亡率が低いという趣旨の発言をしていたので、いま日本で起きていることがらが、いかに日本の「民度」が高いのかを世界に誇っているねと揶揄しておいた。本当に怒り心頭になる。
取材、取材。河井夫妻の逮捕必至。身柄は広島に移すのかと思っていたら、東京に留め置くらしい。
6月18日(木) 新聞各社も、NHKも朝6時のニュースから「河井夫妻を今日逮捕へ」と横並び。奇妙な感じ。横並びは好きではない。テレ朝の「モーニングショー」で、映画館「アップリンク」のパワハラの件を「独自」のワッペンを貼って報じていた。すぐに自宅を出て、赤坂の衆議院の議員宿舎前に寄ってから局でカメラクルーと合流して再び宿舎前へ。かなりの数のカメラマンおよび記者、リポーターらが蝟集する。ちょっと密だ。きのうから徹夜体制で張っている。出入りの車をいちいちチェックする。
12時51分にそれらしい白っぽいワゴン車が出ていったが、黒窓で誰が乗っているのかわからず。13時49分にも黒い大型バン。これも誰が乗っていたか確認できない。そうこうするうち旧知のIさんから「地検に入った情報。ほんまかどうか?」と関西弁のショートメールが入り、すぐに「地検の中に入ったようなんやが、逮捕はまだかも?」と続報が入ってきた。あらら。いつ出ていったのだろうか。空振りか。と思ったら、14時46分、NHKで河井夫妻逮捕のニュース速報が出たという。僕らの近くにいた女性リポーターが「河井容疑者が逮捕されました」とリポートしている。そうか「容疑者」に切り換わるのか。
すぐに検察合同庁舎に移動すると、車両出入口に黒山の人だかり。報道陣が集まっていた。今度は東京拘置所への「出」を撮るためだ。みるとMBS(毎日放送)のMさんがいた。Mさんも5時間以上議員宿舎の前で張っていたそうだ。法務行政のトップにあった前法務大臣を、配下にあった検察が逮捕するなど前代未聞の出来事だ。でも何だか、シナリオ通りというか、予定調和感が拭えない。「検察の威信をかけた捜査が始まります」と同僚が生中継でリポートしていたが、検察の「威信」なんか実はとっくに崩壊しているのではないか。
局に戻って、安倍首相の記者会見を聴く。わずか3時間半前に逮捕された河井克行「容疑者」を、首相補佐官として重用し、かつ法務大臣にも任命したその張本人が安倍首相である。記者会見にぜひとも立ち会いたかったが、それも叶わず、やむを得ずテレビをチェックしていた。
首相は冒頭わずか1分ほど、河井前法相逮捕について「かつて法務大臣に任命した者として、その責任を痛感しております。国民のみなさまに深くお詫び申し上げます(ここで軽く頭を下げた。プロンプターにそう書かれていたのだろうか)。この機に国民のみなさまの厳しい眼差しをしっかりと受け止め、われわれ国会議員はあらためて自ら襟を正さなければならないと考えております」とスピーチライターの作文通りの文言を、プロンプターをみながら読みあげていた。だがすぐに新型コロナウイルス対策の話に移行していった。それも「コロナ対応の150日間」を自賛するようなぬるい内容だった。
当然、記者たちからは厳しい追及があると思っていたが、そう考えていた自分がバカだった。
幹事社のフジテレビの記者の質問。
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