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マクロン仏大統領の残り「600日」に早くも漂う暗雲

コロナ禍、景気後退、内閣改造への批判、「黄色いベスト」デモの復活……課題山積

山口 昌子 パリ在住ジャーナリスト

拡大フランスのマクロン大統領=2019年10月18日、ブリュッセル、疋田多揚撮影

 コロナ禍にもかかわらず、フランス共和国の建国記念日ともいうべき7月14日(革命記念日)、恒例の三大行事である軍事行進と官民合同による大統領のテレビ生中継インタビュー、そして花火が実施された。国の最大、最重要の行事を実施することで、3万人の死者を出しながらも、国家がつつがなく機能していることを示すことは、国民にとって最高の効能ある妙薬なのかもしれない。

ド・ゴール将軍の偉業が紹介された革命記念日

 7月14日は、日本では名画「パリ祭(原題は7月14日)」(ルネ・クレール監督)の影響もあって、「パリ祭」の名称が定着し、シャンソンとワインで浮かれる日との誤解があるようだ。

〓〓〓=テレビから(筆者撮影)拡大軍事行進の様子=国営テレビ「フランス2」の画面から(筆者撮影)
 だが、フランスでは、通常は凱旋門からコンコルド広場までのシャンゼリゼ大通り(約2㌔)を陸海空の3軍の4000人余が行進、上空をラファルやミラージュなど核弾頭搭載可の戦闘機が飛び、大統領が官民合同のテレビの生中継インタビューで丁々発止を展開し、夜はエッフェル塔を囲んで派手に花火があがる日、との認識だ。祝日だから、もちろんワインを片手に、盛大に祝杯もあげる。

 今年はコロナ禍で密集を避けなければいけないため、行進は国民議会(下院)からコンコルド広場までに短縮された。上空では、ラファルなどの戦闘機が減る一方で、医療活動に携わった救援機やヘリが参加。コンコルド広場の仮設観覧席には、コロナで不眠不休の看護に当たった医療関係者の代表が招待され、行進にも医療関係者が数10人参加した。

拡大特別招待された医療関係者=国営テレビ「フランス2」の画面から(筆者撮影)
 新趣向として、今年は広場に大型スクリーンが設置され、救国の士、シャルル・ド・ゴール将軍の偉業が紹介された。

 1940年6月18日のレジスタスへの「呼びかけ」、44年8月25日の自由解放に加え、戦後の国連常任理事国の地位と抑止力としての核保有を基盤にしたフランスの独自外交構築などの主要な業績が、当時の白黒のテレビニュースによって具体的に紹介された。とりわけ冷戦中は、米ソどちらの陣営にもくみさない外交力が、一種の歯止め的役割を果たすなど威力を発揮したが、世界中が中国の脅威にさらされている今、ド・ゴールの外交を噛みしめる必要がありそうだ。

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筆者

山口 昌子

山口 昌子(やまぐち しょうこ) パリ在住ジャーナリスト

パリ在住ジャーナリスト、著書に『ココ・シャネルの真実』『フランス人の不思議な頭の中』『パリの福澤諭吉』『原発大国フランスからの警告』『フランス風テロとの戦い方』『大統領府から読むフランス300年史』など多数。

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