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マクロン仏大統領の残り「600日」に早くも漂う暗雲

コロナ禍、景気後退、内閣改造への批判、「黄色いベスト」デモの復活……課題山積

山口 昌子 在仏ジャーナリスト

医療関係者に送られた盛大な拍手

拡大エッフェル塔を囲んで打ち上げられた花火=国営テレビ「フランス2」の画面から(筆者撮影)
 例年通り、軍楽隊による国歌ラ・マルセイユーズが種々の編曲で何度も演奏され、国旗の三色旗が翻るといった、日本の平和主義者が見物したら卒倒しそうな光景が約3時間、展開した。夜は、赤、緑、青など例年より色彩も豊かで、形も凝った花火が豪快に打ち上げられ、「芸術大国フランス」を誇示した。

 こうした“軍国主義”や壮大な“無駄遣い”を批判するメディアは、左派系を含めて皆無だ。年に一度の盛大な祝祭を通して、フランス人が国是の「自由、平等、博愛(連帯)」を再確認し、フランスが強い意志に裏打ちされた民主主義国家であり、外敵に対して防衛可能な独立国家であることに満足し、安堵するからだろう。とすれば、コロナ禍の今年は、特に意義があったわけだ。

 今年の例外は、式典の最後に、ヒナ壇に並んだ大統領や閣僚から、医療関係者に対して長く盛大な拍手が送られたことだ。3カ月間の「外出禁止」(罰金、禁固の罰則あり)という長くて厳しい措置に耐え、約3万人の死者を出しながら、国民が何とか団結してコロナ禍を乗り越えたのは、医療関係者の奮闘があってこそとの感謝が、そこには込められていた。

慣例だったインタビューを復活させたマクロン大統領

 ただ、マクロン大統領の生中継インタビューに対しては、メディア、つまり国民からの批判が相次いだ。

 実はマクロンは2017年の就任当時、「7月14日のインタビューはなし」を宣言している。今年はコロナ禍という未曽有な国難と、7月初旬の内閣改造、残り在任日数「600日」という節目の時を迎え、慣例を復活させる必要があった。

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筆者

山口 昌子

山口 昌子(やまぐち しょうこ) 在仏ジャーナリスト

元新聞社パリ支局長。1994年度のボーン上田記念国際記者賞受賞。著書に『大統領府から読むフランス300年史』『パリの福澤諭吉』『ココ・シャネルの真実』『ドゴールのいるフランス』『フランス人の不思議な頭の中』『原発大国フランスからの警告』『フランス流テロとの戦い方』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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