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コロナ禍のなかで「まちおこし」の新たな日常に取り組む鯖江の若者たち

「ITの街」鯖江の自信とこれまでの取り組みが結びつきオンラインでコンテスト開催へ

曽我豪 朝日新聞編集委員(政治担当)

 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化して緊急事態宣言も出て、これまでのような日常はどうやら簡単には戻らないのだと覚悟し始めたころ、ふと心配になったことがあった。

 福井県鯖江市の若者たちがこの10年あまり、毎年秋に続けて来た「地域活性化プランコンテスト」は今年、どうなってしまうのだろう?

毎年恒例の「市長をやりませんか?」。今年は中止か

 ――眼鏡の生産というキラーコンテンツはあるものの、シャッター商店街という言葉が飛び交う時代にあって、鯖江の街おこしを自分たちならではの手作りの方法でやってみたい。それなら、全国の大学生たちに鯖江に来て、現地を見て、市民の声を聞いてもらい、議論を重ねたうえで具体的な活性化策の提言を受け、牧野百男市長ら市役所に現実化してもらおう。

 そうした思いから、「市長をやりませんか?」とうたったコンテストは綿々と続いて来た。

 「遣東使」、眼鏡を鎖状につなげてのギネス記録挑戦、中国との交流、カフェとライブ会場を併設した鯖江駅の図書館など、実現したプランも数多い。全国の地方紙が主催する地域再生大賞の優秀賞も受け、同じような取り組みは他の自治体に広がり、今や「鯖江モデル」と称されるまでになった。自分も何度か、新聞のコラムで紹介させてもらった。

拡大 昨年9月に行われた第12回鯖江市地域活性化プランコンテストの様子。鯖江市の人々へのヒアリングとチーム内の議論を重ね、活性化策を練り上げて行った。

 だが、「合宿」を重ねての議論集約にしても、鯖江で生活する人々へのヒアリングを重視する姿勢にしても、まさにリアルな「触れ合い」がコンテストの身上だったはずだ。さらに昨年、ネット利用の行き過ぎが、ややもすれば議論や問題設定をこじんまりしたものにさせたとの反省から、コンテスト期間中は「IT禁止」にする改善策をとったばかりだった。

 今年で13回目になるコンテストは中止になるのか、オンラインで行うにしてもこれまでの良さはなくならないのか。本当なら鯖江に駆け付けて話を聞きたいところだが、東京からの移動はやはり二の足を踏む。

 そこで、コンテストの発起人であり、地元福井の学生団体「with」と共に事務局を担うNPO法人エル・コミュニティの竹部美樹さんにメールで様子を尋ねた。すぐに返信が来た。心配は杞憂に終わった。

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筆者

曽我豪

曽我豪(そが・たけし) 朝日新聞編集委員(政治担当)

1962年生まれ。三重県出身。1985年、東大法卒、朝日新聞入社。熊本支局、西部本社社会部を経て89年政治部。総理番、平河ク・梶山幹事長番、野党ク・民社党担当、文部、建設・国土、労働省など担当。94年、週刊朝日。 オウム事件、阪神大震災、など。テリー伊藤氏の架空政治小説を担当(後に「永田町風雲録」として出版)。97年、政治部 金融国会で「政策新人類」を造語。2000年、月刊誌「論座」副編集長。01年 政治部 小泉政権誕生に遭遇。05年、政治部デスク。07年、編集局編集委員(政治担当)。11年、政治部長。14年、編集委員(政治担当)。15年 東大客員教授

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