野党再編の軸は「消費税減税」 旧民主党の再結集なら滅びの道
衆議院の任期満了まで1年あまり。ようやく動き始めた野党再編だが……
田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授
野党第一党としての成果に乏しい立憲民主党
振り返れば、立憲民主党は2017年秋の衆院解散・総選挙の際、希望の党をめぐる騒動で“漂流”する人たちを収容した救命ボートだった。あの局面で果断に新党を立ち上げ、有為の人材を救出した“枝野立憲”の功績は小さくない。
だが、それから3年間、野党第一党の「特等席」に座っていたにもかかわらず、その成果は極めて乏しい。最近の毎日新聞の世論調査でも、政党支持率は9%で維新の10%にも及ばない。3年経っても支持率が一桁では、野党第一党の資格があるとは思えない。もはや役割を終えたと言わざるを得ない状況である。
枝野代表の上記の提案を受けた国民民主党は17日、党内で議論をしたものの、新党名をめぐって異論が多く、枝野案に同調するには至らなかった。ただ、立憲民主党との合流については、党内の反対意見は1割程度だったといわれる。

国民民主党の両院議員懇談会であいさつする玉木雄一郎代表(中央)=2020年7月17日、東京都千代田区、
勢いのない立憲が主導権をとろうとしても……
立憲民主党は結党当時の勢いから、当初は単独政権を目指してきた。それが、この3年間で困難になったことから、国民民主党を吸収合併する方向に戦略を転換したのだろうが、勢いを失った今の立憲に国民民主が吸収されることはありえない。そこで、今回の「新設合併方式」の提案になったのだろうが、実質的には吸収を求めている印象がぬぐえない。
そもそもこの種の政党の合流案件は、一党が突出した勢いで走っていれば、ことさら誘わなくても、他党のほうが合流してくるものだ。だが、現状はそうではない。勢いのない立憲が主導権を握ろうとすればするほど、合流そのものが実現しなくなる。
党名の「立憲」にこだわることがいけないとは言うつもりはないが、この言葉があるから、立憲民主党を支持しているという人が多いとは、私には思えない。
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