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「ヤンキースタジアム始球式」騒動が示すトランプ大統領の焦りと嫉妬

大統領と始球式の関係、大統領選の情勢、ファウチ博士との関係から浮かぶのは……

鈴村裕輔 名城大学外国語学部准教授

 誰もが、「いかにもトランプ大統領らしい」と思ったことだろう。7月23日、ホワイトハウスで開かれた記者会見。新型コロナウイルス感染症対策に関して話している最中に、トランプ大統領は「8月15日にヤンキースタジアムで始球式を行う予定だ」と発言し、記者団を驚かせた。

 だが、ニューヨーク・ヤンキース側は「大統領による始球式の予定はない」といこれを否定。すると、ホワイトハウス側は「大統領の予定が合わないことが分かったので調整中」とトランプ大統領の発言を修正したのだ。

 周囲に確認することなく、唐突に重要な話題を取り上げ、相手が当惑し、最終的には話が立ち消えになるという展開は、これまでもトランプ大統領がしばしば行ってきたことだ。ただ、今回はどうして、大リーグの試合で始球式を行うことを話題にしたのだろうか。トランプ大統領が突然、それまでの話を遮るように「始球式を行う」と発言したのは、なぜだろうか。

 一見、思い付きによる、はた迷惑な発言のようなみえる今回の出来事も、「米国大統領と始球式」、「トランプ大統領と始球式」、「大統領選挙への焦り」、「アンソニー・ファウチ博士との関係」の四つの視点から見ると様相が変わってくる。実のところ、トランプ大統領にとっては必要に迫られた発言だったのではないかと思えるのだ。どういうことか、順に説明しよう。

拡大トランプ米大統領

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筆者

鈴村裕輔

鈴村裕輔(すずむら・ゆうすけ) 名城大学外国語学部准教授

1976年、東京生まれ。名城大学外国語学部准教授、法政大学国際日本学研究所客員所員。法政大学大学院国際日本学インスティテュート政治学研究科政治学専攻博士課程修了・博士(学術)。専門は比較文化。主著に『メジャーリーガーが使いきれないほどの給料をもらえるのはなぜか?』(アスペクト 2008年)、『MLBが付けた日本人選手の値段』(講談社 2005年)がある。日刊ゲンダイで「メジャーリーグ通信」、大修館書店発行『体育科教育』で「スポーツの今を知るために」を連載中。野球文化學會会長、アメリカ野球愛好会副代表、アメリカ野球学会会員。

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