沖縄の盟友・大盛伸二さんに先に逝かれる
[200]那覇、キャンプ・ハンセン、津久井やまゆり園……
金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター
頭が混乱していて何も手につかない
7月23日(木) 大盛さんのお通夜は明日の午後という連絡を原さんから受ける。朝、沖縄タイムスのYさんからも電話が入った。琉球放送のK報道局長らとも連絡。きのう、U常務らとともに病院に駆けつけていたらしい。K局長らが病院を出て、その日の夜11時前に息を引き取ったとのこと。
東京と連絡をとって、明日のお通夜に参列する旨を伝える。供花や喪服を手配しなければならない。告別式は「報道特集」の生放送があるので参列できない。宿舎のホテル前のデパートにかりゆしの喪服等を買いに行く。取材と編集はKディレクターにまかせる。何だか頭が混乱していて何も手につかない。少し気持ちを落ち着かせなければならない。フリーランスのTさんや琉球新報のTさんと電話で話す。郵便局に行って、I君のご両親に手紙を出す。原さんと間歇的に連絡をとりあって、あしたのお通夜会場へ行く打ち合わせをする。そのまま空港へ行くのに原さんが車で送っていただけるという。ありがたい。
ひとりでいることが耐えられなくなって、桜坂劇場に飛び込む。自分が錯乱していることに気づく。涙がとまらない。飛び込みで香港映画『淪落の人』をみる。アンソニー・ウォン主演の映画。自分が弱っていることもあって、涙腺が壊れたようになった。宿舎のホテルに戻ってパッキングをする。
7月24日(金) 朝、地元紙の沖縄タイムスに大盛さんの死亡記事が出ている。原さんが車で来ていただけるのは14時なので、それまで頭を冷静にしなければならない。
佐喜眞美術館に足を延ばして、「沖縄の縮図 伊江島の記録と記憶」展に行く。阿波根昌鴻「人間の住んでいる島」と、大盛さんがこだわっていた比嘉豊光氏の「島クトゥバで語る戦世・伊江島編」をみるためだ。集団自決の生存者たちの証言映像はすさまじいものだった。「自爆準備で皆で円くなり、
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