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PCR検査「世田谷モデル」に8つの疑問

「いつでも、だれでも、何度でも」は本当に正しいのか

桑満おさむ 医師・五本木クリニック院長

 筆者のクリニックは世田谷区と隣接する目黒区にあり、患者の30%近くが世田谷区民で、世田谷区の開業医と良好な関係で微力ながら地域住民の健康面でサポートしている。

 コロナ禍において先日保坂展人世田谷区長によって「世田谷モデル」が提起され、一町医者として戸惑っている。保坂区長に直接質問をする機会が無いため、保坂区長による論考「コロナ検査を「いつでも、だれでも、何度でも」~ニューヨークを目指す「世田谷モデル」」が掲載された論座の紙面を借りて、医師としていくつかの質問をさせていただきたいと思う。

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そもそも「いつでも、だれでも、何度でも」は誰の希望なのか?

 保坂区長の世田谷モデルが注目を集めたのは、「いつでも、だれでも、何度でも」の標語であろう。医師がPCR検査の必要があると判断しても、保健所によって管理されていたため、検査を受けられないことが新型コロナウイルス感染拡大初期には多くの自治体で見られた。

 世田谷区医師会は保健所による「行政検査」がパンク状態であることから、4月13日から行政検査に対して協力を行っていた。さらなる処理能力が必要であると考え、世田谷区医師会は保険診療によるPCR検査を提案したところ、「何が問題なのか私たちには全く理解不能でしたが、世田谷区は認可を渋り続け、世田谷区医師会の要請をのらりくらりかわし続けてきました」とのことである。(世田谷区医師会ウェブサイトより)。結果的には4月30日付けで保険診療によるPCR検査を認められ、5月1日に世田谷区医師会PCR検査センターを立ち上げ、「行政検査」と「保険診療による調査」を並行して行えることになった。しかし、医師会のPCRの適応拡大提案に対して鈍い対応しかしてこなかった区の区⻑が突如「いつでも、だれでも、何度でも」と言い出したのである。

 なおこの記事は医師としての、区長への質問であるゆえに、財政面の問題や政治的な主張にはあえて触れない。

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筆者

桑満おさむ

桑満おさむ(くわみつ・おさむ) 医師・五本木クリニック院長

1986年、横浜市立大学医学部卒業。横浜市立大学医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年2月、東京都目黒区に五本木クリニック開院。著書に『“意識高い系"がハマる「ニセ医学」が危ない!』(扶桑社)。ブログは「五本木クリニック院長ブログ」。